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下塗
「下塗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下塗の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「芽生」より 著者:島崎藤村
木屋の地内に、往来に沿うて新築中の平屋があったが、それが私の眼に着いた。まだ壁の
下塗もしてない位で、大工が入って働いている最中。三人の子供を連れて来てここで仕事....
「闖入者」より 著者:大阪圭吉
生画は、先にも云ったように色々の絵具を幾層にも塗り上げて行って最後に仕上げをする
下塗描法ではなく、一見して最初から大胆直截に描者の最後の目的の色で描き上げた直接....
「家」より 著者:島崎藤村
雪にして聞かせた。一軒、植木屋の地内に往来に沿うて新築中の平屋が有った。まだ壁の
下塗もしてない位で、大工が入って働いている最中。三人の子供を連れて行って其処で仕....
「佐竹の原へ大仏をこしらえたはなし」より 著者:高村光雲
郎という人が下谷町にいるので、それに漆喰塗りの方を頼んで貰いました。 黒漆喰で
下塗りをして、その上に黒に青味を持った丁度大仏の青銅の肌のような色を出すようにと....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
芝居の如く、連作小説の如く、である。 先ず先生がおおよその着想と構図とを与え、
下塗り中塗りは大勢の弟子にまかせ、上塗りでさえも大勢の弟子たちがやる事は普通の事....
「菎蒻本」より 著者:泉鏡花
と思うと、おかしく悄気たも道理こそ。刑事と威した半纏着は、その実町内の若いもの、
下塗の欣八と云う。これはまた学問をしなそうな兄哥が、二七講の景気づけに、縁日の夜....
「魔像」より 著者:林不忘
出て行って応対すると、今も言ったとおり、水の垂《た》れるような美男である。左官の
下塗《したぬ》り職人などの中には、どうかすると、下町の女をほろりとさせるような粋....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
という人が下谷町にいるので、それに漆喰塗りの方を頼んでもらいました。 黒漆喰で
下塗りをして、その上に黒に青味を持ったちょうど大仏の青銅の肌のような色を出すよう....
「釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
ころでほんの粗壁《あらかべ》、竹張の骨へ葦《あし》を渡して土をぶつけただけでまだ
下塗りさえ往っていないのだが、武家長屋の外壁だから分が厚い。それが雨に崩れて、勘....
「久保田米斎君の思い出」より 著者:岡本綺堂
。真白に塗る歌舞伎の顔は五分や十分で出来るものじゃない。壁を塗るのと同じ理窟で、
下塗、中塗、上塗と三度塗らなければ、ツヤのある綺麗な顔は出来ません。
下塗を乾かす....