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下宿代
「下宿代〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下宿代の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文放古」より 著者:芥川竜之介
外国語じゃ家庭教師も勤《つと》まらないし、あたしたちの習った編物《あみもの》じゃ
下宿代も満足に払われはしないわ。するとやっぱり軽蔑《けいべつ》する男と結婚するほ....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
も、彼は席を譲ろうとしない。泰然と落着きはらっている。チェーホフの芝居に出て来る
下宿代を払わない老人のように、澄ましこんでいる。 「商談、お待ち合わせにお利用下....
「青春の逆説」より 著者:織田作之助
五円が手にはいらぬ限り不可能だった。下宿で借りるということも考えられたが、それも
下宿代が二人分滞っている上に、まだいくらか現金を借りていたから、到底実行出来そう....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
ぷっ試した上、そろそろと説明に取りかかった。 主人の云うところによると、森本は
下宿代が此家《ここ》に六カ月ばかり滞《とどこお》っているのだそうである。が、三年....
「党生活者」より 著者:小林多喜二
臭く思われる。そうなるとそれはたゞ悪いというだけで済まなくて、危険だった。それで
下宿代だけはどうしても払うことにした。だがそうすると、あと二三円しか残らなかった....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
るのだ。そう云って、肺の息をフウフウ私の顔に吐きかけてくる。あの夜以来、私は男の
下宿代をかせぐために、こんなところへまで流れて来たのです。
「国へかえってみまし....
「道標」より 著者:宮本百合子
事のしたくなる心持になりたい。伸子はそれをのぞんでいたのだった。
クラマールの
下宿代は、敷布類の洗濯代はむこうもち、一週に一度の入浴つきで一ヵ月一九五〇フラン....
「渋江抽斎」より 著者:森鴎外
ら」といった。しかし保は窃に心を苦めた。なぜというに、保は鈴木の女主人に月二両の
下宿代を払う約束をしていながら、学資の方が足らぬがちなので、まだ一度も払わずにい....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
す。Xは詩を書いてゆくのですが、家から一銭も来なくなってしまった。十二月には私が
下宿代を出しましたが、毎月そのようには行かないから一つは家を持つことを急いだので....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
たして、私の知らないところで進捗《しんちょく》して、事後報告をされて、S子さんは
下宿代が送られなくて家がなくなったとさわいで、目白へ一緒に来たわけです。あのこと....
「銀三十枚」より 著者:国枝史郎
さえすれば私はいいのだ」 生活の上の不安はあった。しかし原稿が売れさえしたら、
下宿代ぐらいは払えそうであった。 「贅沢な生活には懲りている。だからそれへの欲望....
「動物園の一夜」より 著者:平林初之輔
は、あの意地の悪い眼を感じなくともよい。下宿のお内儀《かみ》の細くて険のある眼、
下宿代の仕払《しはらい》能力がなくなったと見てとった時に、がらりと一変した、何と....