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「下屋〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

下屋の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
い上がったに相違ねえ。八郎兵衛新田から十万坪のあたりは人家は少なし、隣りは細川の下屋敷と来ているんだから、誰も見つけた物がねえ。殊にうす暗い時刻ならば猶更のこと....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
外なことがあるからな。なかなか油断はできねえ。その旗本はなんという屋敷で、隠居の下屋敷はどこにあるんだ」 「屋敷は大久保式部という千石取りで、その隠居の下屋敷は....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
かな見当は付かなかった。お蝶の話によって考えると、その屋敷はどうも然るべき大名の下屋敷であるらしく思われたが、その場所も方角も知れないので、それがどこの屋敷だか....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
本の大家へ妾奉公に上がっていたが、今から七年ほど前にその主人が死んだので、根岸の下屋敷の方へ隠居することになった。本来ならば主人の死去と同時に永の暇ともなるべき....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
しい屋敷町として開かれたので、新屋敷という名が出来たのでしょう。その辺には大名の下屋敷、旗本屋敷、そのほかにも小さい御家人の屋敷がたくさんありまして、そのあいだ....
南地心中」より 著者:泉鏡花
らを嗅ぎますようで、気が遠くなりました。 その辛さより、犬になってのこのこと、下屋を這出しました時が、なお術のうござりましてござります。」 「ほほほ可厭な、こ....
池袋の怪」より 著者:岡本綺堂
も遂にこの邸に居堪れず、浅草並木辺の実家へ一先お引移りという始末。この事、中屋敷下屋敷へも遍く聞え渡ったので、血気の若侍共は我れその変化の正体を見届けて、渡辺綱....
異妖編」より 著者:岡本綺堂
かも夜ふけになぜこんなところを歩いていたかというと、新大橋の袂にある松平相模守の下屋敷に自分の叔母が多年つとめていて、それが急病にかかったという通知をきょうの夕....
真鬼偽鬼」より 著者:岡本綺堂
あとを付けて行きました。」と、藤次郎は答えた。「伊八とお園は長徳院の前から脇坂の下屋敷の前を通って柳島橋の方へ行く。川岸づたいの一本道ですから見はぐる気づかいは....
唇草」より 著者:岡本かの子
に告げることは、控えといてやった。 千代重が入り込んだ踏花園は、旧幕時代評判の下屋敷の庭を、周囲の住宅の侵蝕から、やっと一角だけ取り残したという面影を留めてい....
父の怪談」より 著者:岡本綺堂
のことである。麻布竜土町にある某大名――九州の大名で、今は子爵になっている――の下屋敷に不思議な事件が起こった。ここは下屋敷であるから、前藩主のお部屋さまであっ....
江戸の化物」より 著者:岡本綺堂
たということですが、麻布の龍土町(いまの港区六本木七丁目六~八番)に内藤紀伊守の下屋敷がありました。この下屋敷というところは、多く女子供などが住んでいるのです。....
雪柳」より 著者:泉鏡花
綺麗さ。花の影、松風の中に一人立つ大工の目を驚かして、およそ数寄を凝らした大名の下屋敷にも、かばかりの普請はなかろう。折から鶏の声の遠く聞えるのが一入里離れた思....
卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
最惜がって、祖母さんがね、大屋根の雪は辷る、それは危いもんだから、母親の寝ていた下屋の屋根を這って、真中は積って高い、廂の処まで這って出で、上の雪を掻いて、下の....
淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
三千円ぐらいは素丁稚でも造作もなく儲けられるが、小川町や番町あたりの大名屋敷や旗下屋敷が御殿ぐるみ千坪十円ぐらいで払下げ出来た時代の三千円は決して容易でなかった....