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下層社会
「下層社会〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下層社会の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「明暗」より 著者:夏目漱石
を泣かせるものが酒であるか、叔父であるかを疑った。ドストエヴスキであるか、日本の
下層社会であるかを疑った。そのどっちにしたところで、自分とあまり交渉のない事もよ....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
には一時減少した人間がその後《ご》急に殖えて、家数が建込んだ事、第三は復興気分で
下層社会の景気がよくなった事等であるが、その中でも第一の原因が最も有力であるらし....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
来るという事実をも、吾々は注目しなければならない。 元来、所謂「上流社会」は「
下層社会」に較べて、有産者らしい便宜や名誉のおかげで、生活のプライヴァシーが遙か....
「大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
跨がって逃げる様子等、真に当時の残忍なる戦争が活々と描き出されている。 前述の
下層社会の描写に対して、上流社会の生活は、コンスタンチヌス皇帝の髯剃《ひげそり》....
「模倣と独立」より 著者:夏目漱石
止動作《きょしどうさ》が――ノッペリしている人間で、手を出して握手をしたりする。
下層社会の女などがよくあの人は様子《ようす》が宜《い》いということをいうが、様子....
「小公女」より 著者:菊池寛
じました。ラム・ダスはその娘の顔色の悪いこと、またその子の様子が召使になどされる
下層社会の子らしくないということなども話して聞かせました。ラム・ダスは話すたびに....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
さ》なお洒落《しゃれ》も、少しも見えなかった――この点においてもまた猫のようで、
下層社会から出て来たにもかかわらず、本能的に貴族風だった。そしてその底には、取り....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
不純な階級に属するものであって、そういう階級の人々は、いわゆる中流社会といわゆる
下層社会との中間に位し、後者の欠点の多少を有するとともにまた前者のほとんどすべて....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
、昔の王政によっても決して救済しようとはされなかった。エジプトやボヘミアの一部の
下層社会は、上層の便宜にのみ供され、勢力家の意のままになっていた。下層民衆の子弟....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
であった。そこで、争闘のために闇でおおわれたその場所で、政府と反乱とは、国民兵と
下層社会とは、市民と暴民とは、手探りに互いに接近しつつあった。いずれにとっても、....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
いわゆるヴェンデッタ(訳者注 コルシカの閥族間に行なわれる猛烈な復讐)はある種の
下層社会にはいりこんで一つの法則となっている。半ば善の方へ向かってる者でもそれを....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
この一派の学説は古臭くなってる。が、二葉亭は総てこの見地から人を見ていた。例えば
下層社会の低劣な品性の如きも教育の不備よりはむしろ精神欠陥に帰し、一時好んで下層....
「日和下駄」より 著者:永井荷風
し、徒《いたずら》に覚醒と反抗の新空気に触れるに至ったならば、私はその時こそ真に
下層社会の悲惨な生活が開始せられるのだ。そして政治家と新聞記者とが十分に私欲を満....
「デモクラシーの要素」より 著者:新渡戸稲造
論が教育ある中流社会に唱えられていた間は大した過もなかったようであるが、無教育な
下層社会に唱えられ出してからは、有らゆる暴行を促すようになって、遂に乱暴狼藉に反....
「教育家の教育」より 著者:新渡戸稲造
て善人を賞し悪人を罵《ののし》る講釈師、落語家、デロレンなどが教導職と称せられ、
下層社会の教育を掌《つかさど》った観がある。こういう広い意味に取れば、教育家なる....