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下層階級
「下層階級〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下層階級の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
る下流階級の貧困ではなかった。が、体裁を繕う為により苦痛を受けなければならぬ中流
下層階級の貧困だった。退職官吏だった、彼の父は多少の貯金の利子を除けば、一年に五....
「国語音韻の変遷」より 著者:橋本進吉
kwa)グヮ(gwa)は、カ・ガと混同する傾向が古くからあり、江戸初期の京都でも
下層階級のものはカ・ガと発音したものがあったが、しかし標準的の音としては永く保た....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
ことを後悔していた。それはもちろん本ばかりではなかった。僕はこの心もちの中に中産
下層階級を感じている。今日でも中産
下層階級の子弟は何か買いものをするたびにやはり....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
と、町角のパン屋の高声器を目懸けて、かけ出して行った。 パン屋の軒先は、附近の
下層階級の代表者が、黒山のように、だが水をうったように静粛に、アナウンサーの読み....
「食魔」より 著者:岡本かの子
められていた。 いつでも意見が一致するのは、芸術至上主義の態度であった。誤って
下層階級に生い立たせられたところから自恃に相応わしい位置にまで自分を取戻すにはカ....
「縮図」より 著者:徳田秋声
社交に欠くべからざるものは花柳界であり、新柳二橋の大宴会は絶えない現状であるが、
下層階級の娘たちの虚栄も、大抵あの辺を根拠として発展したものらしかった。上層階級....
「新版 放浪記」より 著者:林芙美子
、キュウピーがおどけていたり、夜店物のお垂げ止めや、前芯《まえしん》帯や、様々な
下層階級相手の粗製品が、毎日毎日私達の手から洪水の如く市場へ流れてゆくのだ。朝の....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
明のさなかにこしらえ、聖なる運命を世間的因果によって紛糾せしむる間は、すなわち、
下層階級による男の失墜、飢餓による女の堕落、暗黒による子供の萎縮《いしゅく》、そ....
「エトナ」より 著者:野上豊一郎
ナで、その頃はタウロメニオンと呼ばれていた。ディオニュシウスは卑賤から身を起し、
下層階級者に支持されて強力な軍隊を組織し、ギリシア人をシチリア(シケリア)から駆....
「生活と一枚の宗教」より 著者:倉田百三
す。われわれ人間は万物の霊長であるというふうに考えております。また人間の仲間でも
下層階級の者よりも上層階級の者のほうが、高尚な生活をしているように思いますが、犠....
「自警録」より 著者:新渡戸稲造
充足の道を講ずるとともに、精神的教訓を与うることはもちろん必要であるが、ともかく
下層階級の経済状態を改善するは、すべての改良の根本なりとの観念に打たれ、その翌日....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
ン・タントワヌ パリーの東方の廓外、バスティーユ牢獄とセーヌ河との間の一区域。
下層階級の住んでいた地域であった。 やがて、そういう葡萄酒もまた………… 革命....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
説であるが、一つは両親が常磐津が好きで、児供の時から聴き馴れていたのと、最一つは
下層階級に味方する持前の平民的傾向から自然にこれらの平民的音曲に対する同感が深か....
「青春の息の痕」より 著者:倉田百三
(これまでは少しも目につかなかったのに)限りなき同悲の情が起こります。私は社会の
下層階級の人々の持つ感じ方に注意せられます。そして共に労働するものの間に生まれる....
「二葉亭追録」より 著者:内田魯庵
説きつつもなお権力の信仰を把持して、の信条を忘れなかった。貴族や富豪に虐げられる
下層階級者に同情していても権力階級の存在は社会組織上止むを得ざるものと見做し、渠....