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下検分
「下検分〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下検分の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「おしゃれ童子」より 著者:太宰治
くもなく、少くもなく、ちょうどいい工合《ぐあ》いに出るかどうか、なんどもなんども
下検分してみるのでした。 誰にも知られぬ、このような侘《わ》びしいおしゃれは、....
「吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
られて、庭の草の代りに、白い砂が、門をはいると玄関までつづいていた。 吉良が、
下検分に来るという日なので、替りの人々は、早朝から詰め切って、不安な胸でいた。 ....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
ね、だんなに来たお呼び出し状なら、この伝六様のところにも来たのと同然なんだから、
下検分してやろうと、さっそく行ってみるてえと、生意気じゃござんせんか。あんな年増....
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
こで市でも考えて、今度は新しいハイカラなのを作るというので、その見本を市会議員が
下検分したのが十月の上旬であったと記憶する。 以上述べた私立乗合いと円太郎自動....
「元禄十三年」より 著者:林不忘
四 広光院の内玄関に、人声が沸いて、吉良の一行が着いた。勅使の宿舎を、
下検分に来たのだった。 その天奏の江戸入りの日も、近かった。吉良は、先日岡部か....
「道標」より 著者:宮本百合子
。だって、こっちはクワルティーラ(アパートメント)五八とあるもの」
また伸子が
下検分の役だった。
六ヵ月ぶりで来てみるとアストージェンカの街角には、やっぱり....
「難船小僧」より 著者:夢野久作
うにしいしい、機関室へ拾い集めるのであったが、その作業を初めると間もなく、残炭を
下検分に廻わった二等機関士のチャプリン髭が、俺の部屋へ転がり込んで来た。 「……....
「時計屋敷の秘密」より 著者:海野十三
供の顔を見ればいましめるのだった。 さて時計屋敷の大掃除をするに先立って、その
下検分《したけんぶん》のために、七人の有力者が、屋敷へはいってみることになった。....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
から先、はたして団員二十余名が、うまく口すぎが出来ていくであろうかと思えば、この
下検分の使の責任は重く、目の前が暗くなる思いがするのであったが、それでも房枝は、....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
もごわすさかい、と直ぐ引き受けてくれたのでやや安心しました。 T君は早速下宿の
下検分に出かけて行きました。そして、宿をきめて来てくれました。 D日、下宿の部....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
て小金ヶ原へ乗込み、都鄙《とひ》の道俗をアッと言わせようとして、明日あたりはその
下検分に、小金ヶ原まで出張してみようか知らんと思っていたところへ、宇治山田の米友....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
えないから、それで放棄したものとも解釈がつくのです。総員上陸の用意はして置いて、
下検分のため一応、先遣隊をやる必要がありますね、誰彼と言わず、わたしとあなたとで....
「裏切り」より 著者:坂口安吾
ちがいを生むに至ることなぞ知る由もなかったのです。 着々準備はととのいました。
下検分も慎重に綿密に終りました。いよいよ決行の前晩に至って、セラダは明日にせまっ....
「樹氷」より 著者:三好十郎
あたりに時々やって来て住めるような小屋を建ててもよいと思っているもんだから、その
下検分と言うかね。 壮六 そうでございますか。この辺も早く鉄道でも通ってくれると....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
卿が見えたと?」 「だいぶお疑いをもってるらしいお口ぶりなので」 「さては早くも
下検分にまいったの」 「そうとも明らかにおっしゃりませんが、困ったことには、その....