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「下段〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

下段の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
闖入者」より 著者:大阪圭吉
が、カンバスの中央に大きく薄紫の富士山が、上段の夕空を背景にクッキリと聳え立ち、下段に目前五、六十|米突の近景として一群の木立が一様に白緑色で塗り潰されていた。....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
ょうどそれと同じ現象が、上下二段の鍵盤に現われたのだ。ところでここに、頻繁に使う下段の鍵があったとしよう。そうすると、その絶えず上下する鍵を、上段の動かない鍵の....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
心眼に昼夜|無矣! 黒々と相手の姿が見えた。老松を背にして立っていた。抜き身を下段に付けていた。 仄々と一道の白気が立った。刀身から上る殺気であろう。プンと....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
るものであるから、織田|有楽《うらく》の工夫であったか何様であったか、客席に上段下段を設けて、膝突合わすほど狭い室ではあるが主を上段に家来を下段に坐せしむるよう....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
か。やっつけろ。ええと今度は絶妙剣、そうだこいつで片付けてやれ」 形が変わると下段に構えた。誘いの隙を左肩へ見せる。 「ははあこの隙は誘いだな」切紙の白井とは....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
、そこへ刀の柄をあて、斜めに枝を張ったように、開いて太刀をつけたのは、鐘巻流での下段八双! 真っ向からかかれば払って退け、突いて来れば搦み落とす、翩翻《へんぽん....
地獄の使者」より 著者:海野十三
の夜具が、この部屋の主には少し不釣合なほど艶《なまめ》かしい。帆村の手が伸びて、下段の端に置かれてある小型の茶箪笥の扉を開いた。するとその中には徳利や猪口が入っ....
怪しの館」より 著者:国枝史郎
仕止めた、これだけかな」 木影に立った旗二郎、決して決して油断はしない、血刀を下段に付けながら、眼で塀の上を見上げながら、さすがに少しばかり切迫する、胸の呼吸....
紅白縮緬組」より 著者:国枝史郎
声を上げ、若衆の周囲を廻り出した。相手を疲れさせるためでもあろう。 若衆は刀を下段に構え、廻る犬に連れて廻り出した。時々「やっ」と声を掛けて犬に怒りを起こさせ....
戯作者」より 著者:国枝史郎
ったら、隙の出来よう筈はない」 「あっ、成程、これはごもっとも」 「さて、剣だ、下段に構えるがよい。相手の腹を狙うのだ。切るのではない突き通すのだ。眼は自分の足....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
おれも死ぬ。卑怯ながら腹を突こう」外れっこのない相手の腹。突嗟に思案した甚内が、下段に刀を構えたまま、体当りの心組み、ドンとばかりに飛び込んだとたん、「ガーッ」....
剣侠」より 著者:国枝史郎
品陣十郎が、抜身を提げて立っているはずである。 10 後へ下った陣十郎は、刀を下段にダラリと下げ、それでも眼では油断なく、主水の眼を睨みつけ、歌主の在所がどこ....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
壁が立っていた。それへ背中をあてるようにしたが、あたかも威嚇でもするように、片手下段にのびのびと、頭上へ刀を捧げたのである。 「まだ来る気かな。……今度は切るぞ....
層雲峡より大雪山へ」より 著者:大町桂月
を見ては、水中にもぐり込む也。二見の瀑を下りて顧れば、二段になりて、上段は一丈、下段は三丈もあらむ。幣の滝より低けれども、水量多くして、勢壮也。 およそ四時間....
周防石城山神籠石探検記」より 著者:喜田貞吉
低くなった場所にあって、ここのは石垣が三段になっている。上段が高さ約三尺、中段と下段とが各約九尺。その上は平地をなして、もと大段坊という僧坊があったとの事だ。も....