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下民
「下民〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下民の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「懶惰の歌留多」より 著者:太宰治
いいえ、もう、そんな嘘は吐きません。 わ、われ山にむかいて眼を挙ぐ。 か、
下民しいたげ易く、上天あざむき難し。 よ、夜の次には、朝が来る。....
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
。おたげえ来世はねこにでもなることよ」 なぞと、うそにも陰口をきこうものなら、
下民の分際をもって、上ご政道をとやかく申せし段ふらち至極とあって、これがまず入牢....
「文芸の哲学的基礎」より 著者:夏目漱石
面に向って一歩進んだ理想がなくってはとうてい書きこなせない作物だと思います。よく
下民の聚合《しゅうごう》する寄席《よせ》などへ参ると、時々妙な所で喝采《かっさい....
「近時政論考」より 著者:陸羯南
って臣たらざるべからず。君主の権威は無限なり、ゆえにその命令を奉ずる政府の権威も
下民に対してはほとんど無限なり、
下民のその上に対する服従もまたしたがって無限なり....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
とじゃ! 己れが乗用致す馬が暴れ出さば、御する者がこれを制止すべきが当り前、第一
下民百姓の分際で、武士が通行致す道先に、裸馬など弄ぶとは無礼な奴じゃ! 出い! ....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
な。みなで何名じゃ」 「五十七名でござります」 「左様か、不埓な奴らめがッ。百姓
下民の分際で、領主に逆らい事致すとは何ごとじゃッ。生かすも気まま、殺すも気まま、....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
って、半蔵は寿平次と一緒に、その荒い縞の回し合羽を着た牛行司の後ろ姿を見送った。
下民百姓の目をさまさせまいとすることは、長いこと上に立つ人たちが封建時代に執って....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
かまってはおられぬ」 と左京は大声に、 「早く! 早く穴のほうへまわって、あの
下民《げみん》どもを追っぱらってしまえ」 声に応じて、刀をふりかざした二、三人....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
太子の商品を没収し、従者象馬に乗って去り、太子一人無銭で置き去られ、やむをえず最
下民同然、腰巻一つで富家に奉公す。その時までも妃が付け置いた親臣のみ太子に附き添....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
日はその祭礼である。
江都第一の大祭。
別当|勧理院《かんりいん》、神主は樹
下民部《じゅげみんぶ》。
神輿《みこし》の通りすじは往来を禁じ、町屋に桟敷《さ....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
ろのことではフランスは悪化して来ておるわい。わしたちの遠くもない先祖たちは近隣の
下民どもに対して生殺与奪の権を持っておったものじゃ。この部屋からも、たくさんのそ....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
して効験なきも、その病の原因はけだしここにあるなり。しかるにいま一時の術を用いて
下民《かみん》を御《ぎょ》しその知徳の進むを待つとは、威をもって人を文明に強《し....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
うだけであって、その他の事は人間としてほとんど完備して居るほどの人である。ことに
下民の情によく通じ、そうして民意を容れ民心を収攬することに力め、また法律を正しゅ....
「小学教育の事」より 著者:福沢諭吉
に『論語』『大学』の適当せざるをいうなり。今の日本の有様にて、今の小学校はただ、
下民《かみん》の子供が字を学び数を知るまでの場所にて、成学の上、ひと通りの筆算帳....
「ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
そのまま在らせる外、為方がない。
随分今まで行き著く程考えたのです。
ただ淳樸な
下民にはそれが分かっていて、
縦え人がなんと云っても、自分の考を改めない。
その....