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下火
「下火〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下火の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
部。石燈籠は柱を残したまま、おのずから炎《ほのお》になって燃え上ってしまう。炎の
下火《したび》になった後《のち》、そこに開き始める菊の花が一輪。菊の花は石燈籠の....
「妙な話」より 著者:芥川竜之介
しかれこれ一月《ひとつき》ばかりすると、あいつの赤帽を怖がるのも、大分《だいぶ》
下火《したび》になって来た。「姉さん。何とか云う鏡花《きょうか》の小説に、猫のよ....
「地球発狂事件」より 著者:海野十三
月何日の深夜、この汽船は発狂の極、アイスランド島ヘルナー山頂に坐礁した。そして目
下火災を起し、炎々たる焔に包まれ、記者はあらゆる努力をしたが、船体から十メートル....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
日《ついたち》も涼しかった。 「さすがに暦《こよみ》は争われねえ。これでコロリも
下火《したび》になるだろう」 女房のお仙と話しながら、半七が単衣《ひとえ》を袷....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
言うとおはまに憎がられる、おはまには悪くおもわれたくないてあいばかりだから、話は
下火になった。政公の気焔が最後に振っている。 「おらも婿だが、昔から譬にいう通り....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
かった。ただ音響ばかりは、いやというほど耳にした。 ◯午後一時半を過ぎると敵襲は
下火になった。昨日敵は三時迄休んだようである。三時を過ぎたが敵勢進攻の模様見えず....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
評論されるY村事件の記事を多少注意して読むようになった。 ――Y村問題はすぐに
下火になった。今考えて見ると、ちょうどその頃がこの問題について世間が大騒ぎした最....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
も踊らないので、みんな的がはずれました。 陽気も涼しくなって、コロリもおいおい
下火になったので、地蔵さまも踊らなくなったのだと云い触らす者もありましたが、とも....
「三十年後の世界」より 著者:海野十三
く張られた。それで気密扉が下りるようになった。 それが下りると、火災の方もやや
下火となった。しかしまだときどき小爆発をするので安心はならなかった。 幸いにも....
「火星探険」より 著者:海野十三
になるか分らないもので、この沙漠着陸のおかげで、宇宙艇の尾部における火災が俄かに
下火となった。 感激の乗組員 滑走すること約三千メートルで宇宙艇はやっと....
「大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
「二少年の居所はわかりましたか」 松下梅造が、聞いた。 「うむ、わかっとる。目
下火星へ向って飛んでおる」 幕僚がそういうと、 「はッ?」 松下艇夫長は、何....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
した。 「やあ、警部どの」と頤髯の生えた警官が青ざめた顔を近づけました。「やっと
下火になりました。その代り、小田原の町は御覧のとおり滅茶滅茶です」 「二人の怪人....
「黒百合」より 著者:泉鏡花
出るのを、掴んで投げんと欲するごとく、婆さんは手を掉った。風があたって、※とする
下火の影に、その髪は白く、顔は赤い。黄昏の色は一面に裏山を籠めて庭に懸れり。 ....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
さんの守護をして、緋の袴の連中が火の中から化けて来たのだ。」 「ちょうどその時分
下火になったと見えまして、雲が颯とかかったように、一面赤かった中へ黒味がさしまし....
「あの顔」より 著者:大倉燁子
うほどの可愛がり方なのです。愛子と名づけまして、夫は愛子のあるために女道楽も大分
下火になりましたので、私も安心して、いい事をしたと喜んでおりましたが、夫は別れた....