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下等動物
「下等動物〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下等動物の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「放送された遺言」より 著者:海野十三
た人間の犯すべからざる権限であり、さらに骨肉相食む類の醜態を誘発して人類の風紀は
下等動物以下に堕落するのは火をみるより明らかなことで、人類の自制によって極力避け....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
永い間の中にただ滅して行く。石の方から外界に対して働きかける場合は絶無だ。私には
下等動物といわれるものに通有な性質が残っているように、無機物の生活さえが膠着して....
「海底大陸」より 著者:海野十三
ところが動くんだ。われわれみたいに、どこでも自由に動かないとみえる。どう考えても
下等動物だね」 「あのふさふさしているのは、触覚のある鞭毛かと思ってはじめはびっ....
「蜘蛛」より 著者:甲賀三郎
等速運動をしている時に、ほかに比較すべきものがなければぜんぜん意識しないものだ。
下等動物のうちには、ほかに比較すべきものがあっても平気なものがある。たとえば蠅の....
「不審庵」より 著者:太宰治
と被存候。而して人間の娯楽にはすこしく風流の趣向、または高尚の工夫なくんば、かの
下等動物などの、もの食いて喉を鳴らすの図とさも似たる浅ましき風情と相成果申すべく....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
といい、ダムピエート・ウェーファーは猴が石で牡蠣《かき》を叩き開くを記す。多くの
下等動物や小児や蛮民同様、猴は多く真似をする。皆人の熟知する通り。行商人、炎天に....
「現代の主題」より 著者:宮本百合子
わしい種々の操作が、今日では法律上の名目も失い、行政上の格式も失いながら、なお最
下等動物のように執拗に、ぬけめない陋劣さで活躍していることも、人々が直感している....
「カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
な風に言ったってかまわないよ、『兄は卑劣な好色漢です、欲情を押えることのできない
下等動物です。兄はあの時あなたの金を送らないで、
下等動物の常として衝動に打ち勝つ....
「肌の匂い」より 著者:三好十郎
ヤな――と言つて、どこがどうと説明しようが無い――つまり――。最初書いたような、
下等動物が追いつめられて、自分を殺そうとしている者を見まわしているような目つきに....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
はり人間に生れ、動物はやはり動物に生れるものであるというて、仏教のように人が他の
下等動物に生れる事があるとはいわんです。いよいよ仕舞にはどうなるかというと、神の....
「蒼白い月」より 著者:徳田秋声
です」 波に打上げられた海月魚が、硝子が熔けたように砂のうえに死んでいた。その
下等動物を、私は初めて見た。その中には二三|疋の小魚を食っているのもあった。 「....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
《めった》に中《あた》りません。それは神経を使わないから胃腸が無神経同様になって
下等動物に近いのです。そう思うと何を食べても決して中らぬなんぞと自慢するのはあん....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
りに利己的であります。彼は自己の勢力の扶植にのみ努め、朝から晩まで泥を食うておる
下等動物であります。彼のごときものに二本足の動物を養子にやることは、川底のデモク....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
な》くはありません。どういう訳《わけ》だろうと或るお医者に尋ねました処《ところ》
下等動物は毒物に対して色々な免毒性を持っている、鶏は阿片性《あへんせい》の毒に対....
「歌う白骨」より 著者:妹尾アキ夫
おとなの論理的な頭では、とうてい分らないような人間のかくれた性格、そんなかくれたものを、おさなごや
下等動物がわけもなく見破るという迷信は、かなり広くゆきわたっているようだ。そして....