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下職
「下職〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下職の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「工場細胞」より 著者:小林多喜二
画が出た。「狐会議」が開かれている。大テーブルを囲んで、狐の似顔にされた工場長以
下職長、社員が、職工に「馬の糞」の金を握らしている。それが「工場委員会」だった。....
「縮図」より 著者:徳田秋声
、とかく道楽ものの多いといわれる洋服屋で、本郷通りに店をもっていた。年上の女房に
下職、小僧もいて、大学なぞへも出入りしていた。この店を出すについての資金も、女房....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
えず、女房と連添うて十九年、他の女にお酌をさせた経験も無く、道楽といえば、たまに
下職を相手に将棋をさすくらいのもので、それもひまを惜しんで目まぐるしい早将棋一番....
「旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
鏡のわくとレンズを問屋へ入れるだけで、商品が量《かさ》ばらない商業だった。時々|
下職《したじょく》が註文をうけに来ていた。連合は開港場の横浜で手びろくやっていた....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
にもなく、ふと胸がどきどきするのを覚えた。
不知火流大御所のお嬢様と、植木屋の
下職……としてでなく、ただの、男とおんなとして。
なんてきれいなひとだろう、情....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
当然に嫖客が集まって来る。その嫖客たるや大変物で、折助や船頭や紙屑買いや、座頭や
下職や臥煙などで最下等の部に属している、そういったような人間どもであった。で夜鷹....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
目付和田殿の邸でござろう」
「そうじゃ」
「和田殿に、横目付が、いつから、奉行の
下職を請合いなされたかと、聞いて参れ。その返事によって名乗ろう。役目の表などと、....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
蛇の走るよりも迅い勢いで吹き出して来た。今の今まで安心していた主人を初め、弟子、
下職、手伝いに駆けつけた人々が、「もう、いけない。出せるものだけ出せ」というので....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
ありまして、私は相更らず修業中……その十五日の前の晩(十四日の夜中)に森下にいる
下職の塗師屋が戸を叩いてやって来ました。私が起きて、潜りを開けると、
下職の男は這....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
円七十五銭の手間を師匠から貰うことになりました。私も満足でありました。当時立派な
下職としても一分が相当、年季明け早々の私に一日一分が貰えるかどうかと内心でも考え....
「回想録」より 著者:高村光太郎
し実際は父は死ぬまで産を遺していなかった。それで私は外国から帰って後になって父の
下職みたいな仕事をやって生活をしていたのも、結局そうより外に仕方がなかったのであ....
「自作肖像漫談」より 著者:高村光太郎
通りに製作したいなと思いながら、結局父の木彫に都合のいいように作った。父の仕事の
下職としては随分愚劣なものもかなり作った。 その年月の間に私はアメリカ行を計画....
「幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
一致いたしませんで、政吉はまず差し当りの儲けを見て行くという意見で、たとえば私が
下職の方の塗師の上手の方へやろうというのでも、政吉は安手の方の塗師重で済まして、....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
の下駄の、板のようになったのに拇指で蝮を拵えたが、三下という風なり。実は渡り者の
下職人、左の手を懐に、右を頤にあてて傾きながら、ばりかんを使う紋床の手をその鋭い....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
、……近常さんは、名も一字、常世が三ヶの庄を賜ったほどの嬉しさで。――もっとも、
下職も三人入り、破屋も金銀の地金に、輝いて世に出ました。仕上り二年間の見積の処が....