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「下請〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

下請の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
あらくれ」より 著者:徳田秋声
仲間を笑った。 車につんで、溜池《ためいけ》の方にある被服廠《ひふくしょう》の下請《したうけ》をしている役所へ搬《はこ》びこまれて行く、それらの納めものが、気....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
いた。殊に、東京好みの粋な鼻緒は断然この花川戸でできるものに限られていた。鼻緒の下請負は、同じ区内の今戸とか橋場あたりの隣町の、夥しい家庭工場で、芯を固めたり、....
朝の風」より 著者:宮本百合子
も界隈としては目新しい。 そこらあたりから屑鉄屋、鋳物工場、機械工場といろんな下請工場がどっさりあって、その金網つきの真黒によごれた窓の下で日中働いている若い....
今朝の雪」より 著者:宮本百合子
は「山かん横丁」という名さえもつ事務所街がかたまっていて、丁度大工場のぐるりに、下請の小工場が犇《ひし》めいているとおりに、巨大な利益の移動からこぼれる屑によっ....
残されたる江戸」より 著者:柴田流星
方は人工孵化。走りを好む手合いをお客様にしての商売は、こうした生きものをも造化の下請負せねば間に合わず、一年三百六十五日、己が住居の床下にそれはそれはごたいそう....
十二支考」より 著者:南方熊楠
とく事を以て言上し、罪さるる者甚だ多し、陸杭時に江陵の都督たり、ことさらに孫皓に下請し、しかる後《のち》釈くを得たりとある。昔細川幽斎、丹後の白杉という所へ鷹狩....
坑夫の子」より 著者:葉山嘉樹
会社の事務所に注意した。会社員は組員へ注意した。組員は名義人に注意した。名義人は下請に文句を言った。 下請は世話役に文句を云った。世話役が坑夫に、 「もっと調....
新しい婦人の職場と任務」より 著者:宮本百合子
も考えられる。 工場の昨今では、早出、残業、夜業は普通であるし、設備の不十分な下請け工場の簇出と不熟練工の圧倒的多数という条件は、工場内での災害をこれまでの倍....
正義の花の環」より 著者:宮本百合子
した不合格品のストックや、会社として負担になっていたけれども潰してしまえなかった下請け工場の整理が出来て――労働者をクビにすることが出来て――或る意味では悪くな....
青年の生きる道」より 著者:宮本百合子
年団のこれまでの役目は若い者を賢くするよりも愚かにさせる旗持ちをした。今は役所の下請けをした青年団ももとのままではいられなくなって来た。青年の気持をほんとうに反....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
どが夙くから唱道して来たところであるが、呉海軍工廠が試験的に部分品や、材料などの下請を高知県下の中小工業者に注文したところが、それが意外の好成績で、同県は有数な....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
れの責任が重くてやりきれねえ、そこで路傍のしかるべきルンペン子を召集して、自分の下請をさせることはよくある手である。今、おれをその下請のルンペンに見立てやがった....
顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
《ぶばんきん》を専門に鋳造する。 江戸金座は元禄のころまでは、手前吹き、つまり下請《したうけ》制度で、請負配下が鋳造した判金を、金銀改役|後藤庄三郎《ごとうし....
浅沼稲次郎の三つの代表的演説」より 著者:浅沼稲次郎
%は完成しようとしております。そのために、北海道では大豆の値段が暴落し、また中小下請工場は単価の引き下げに悩んでおります。通産省の官僚が発表したところによっても....
私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
もなく、例の豆本“美文之資料”のとんでもない効能がさっそく現われた。私は谷口組の下請けをやっている菊本氏の家に厄介になりながら、無給で苦力の監督などを手伝わされ....