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下賤
「下賤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下賤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「竜」より 著者:芥川竜之介
二
翁《おきな》「これは、これは、御叮嚀な御挨拶《ごあいさつ》で、
下賤《げせん》な私《わたくし》どもの申し上げます話を、一々双紙へ書いてやろうと仰....
「道祖問答」より 著者:芥川竜之介
諸仏菩薩まで、悉《ことごと》く聴聞《ちょうもん》せらるるものでござる。よって翁は
下賤《げせん》の悲しさに、御身《おんみ》近うまいる事もかない申さぬ。今宵は――」....
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
、春隆はそれをくしゃみのように恥かしいことだと感ずる男だったのだ。煤というものは
下賤の人間だけにはいるものだと思っているのだろう。 むっとしながら眼をこする代....
「茶の本」より 著者:岡倉覚三
者は、この影響の存在を無視することはできない。茶道の影響は貴人の優雅な閨房にも、
下賤の者の住み家にも行き渡ってきた。わが田夫は花を生けることを知り、わが野人も山....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
もなければ凶もなく、声丹田より出る時は、上相声と申します。また舌端から出る時は、
下賤破敗と申します。……最も不吉は羅綱声! ではこの声に致しましょう。……薬をお....
「死者の書」より 著者:折口信夫
は、とりわけてお美しい、と女たちは噂するが、其すら似もつかぬ……。 尊い女性は、
下賤な人と、口をきかぬのが当時の世の掟である。何よりも、其語は、下ざまには通じぬ....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
どといえば、化物屋敷めいて聞こえはするが、決してそのようなものではなくて、一種の
下賤の歓楽境なのであった。水戸様の建築の用材の石を、積み重ねておく置き地があった....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
はこの利益を受けんがために、多くの犠牲を払わねばならぬのは辛い。この犠牲たるや、
下賤の者は左程と思わぬであろうが、自分は平然としていられない。」 そうかと思う....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
した、と聞くと、まあ、お寄んなさいまし、直そこが内だ、という二階家でさ。門札に山
下賤、婆さんの本名でしょう。 豪いな、というと、いや、御奉公をいたしております....
「間人考」より 著者:喜田貞吉
、役人中間だのと、同類のものとか、同輩とかの称呼の義に用いられる様であるが、昔は
下賤の者に限って用いたものであった。つまりは中間すなわちハシタ(間人)のことで、....
「旃陀羅考」より 著者:喜田貞吉
自身それを歌っておられぬのみならず、かえって自ら旃陀羅の子なりと云い、今生は貧窮
下賤の者と生れたと云い、人身に似て畜身なりと云い、身は畜生の身なりとまで言ってお....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
戸となったもののみが、国法上賤民として数えられたにほかならぬ。 平安朝時代に、
下賤の使用人をハシタオトコ、或いはハシタメと云う称があった。文字には「半男」また....
「俗法師考」より 著者:喜田貞吉
と、僧官を有するもの以外の僧侶には、みな法師の語を用いてある。すでに平安朝から、
下賤の輩にも法師の称を用いていたことは、『枕草子』に遊芸を事とする乞食尼を、女の....
「放免考」より 著者:喜田貞吉
非人であるが故にとの説明であったが、この頃に至っては放免以外、舎人・童・雑色など
下賤のもののみならず、府生・番長などの官を帯し、何の何某とも呼ばるるものまでが、....
「濫僧考補遺」より 著者:喜田貞吉
なかったのだ。しかし私度の僧がすべていわゆる濫僧であった訳ではなく、その中に特に
下賤のもののみを言ったもののようであるが、その境界が明らかでない。 鎌倉時代に....