下足番[語句情報] » 下足番

「下足番〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

下足番の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
出世」より 著者:菊池寛
たちの顔も、たいていは空《そら》で思い浮べることがあった。 「ああそうそう、あの下足番もいるなあ」と思った。あの下足番の爺《おやじ》、あいつのことは、時々思い出....
蠅男」より 著者:海野十三
平常と変らぬ獲物を追う探偵になりきっていた。 新温泉の出口へ飛んでいった彼は、下足番に、今これこれの二人連れが帰らなかったかと聞いた。下足番は今ちょっと先に出....
わが町」より 著者:織田作之助
で一等をとるぐらいの元気があんネやさかい、明日から学校をひけて来たら、日の丸湯の下足番しなはれ。わいが日の丸湯の大将によう頼んどいて来たったさかい」 びっくり....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
と喜六と云う六十四才になる爺さんが、よぼ/\して片手に小包を提げ、正直な人ゆえ下足番が有るのに、傍に置いた主人の雪踏とお嬢様の雪踏と自分の福草履三足一緒に懐中....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
で帰りの昼じたくにある小料理屋へ立ち寄ろうとしたことを寿平次に話した末に、そこの下足番の客を呼ぶ声が高い調子であるには驚かされたと笑った。 「へい、いらっしゃい....
怨霊借用」より 著者:泉鏡花
って高慢に叩頭したのは…… 「あら。」 附髯をした料理番。並んで出たのは、玄関下足番の好男子で、近頃夢中になっているから思いついた、頭から顔一面、厚紙を貼って....
寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
一度にどやどやと出て来る。それに対して、提灯の火を一々に点けて渡すのであるから、下足番は非常に忙がしい。雨天の節には傘もある。傘と提灯と下駄と、この三つを一度に....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
らきくもんじゃアねえや、ちょッと縁日をぶらついて、又くるぜ、と云って、顔ナジミの下足番に下駄をださせて、外へでた。土蔵の裏のゴミ箱へあがり、塀に手をかけて、なん....
私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
すぎまで待機の姿勢をとる。八時すぎになるとみなでぞろぞろと小屋の前へやつて行つて下足番のおやじにむかつて運動を開始する。もちろん臨時無料入場認定促進運動である。....
」より 著者:岡本綺堂
船宿だ。この牛が桟橋へあがって、自分たちの家へ飛び込まれては大変だから、料理番や下足番や船頭たちが桟橋へ出て、こっちへ寄せつけまいといろいろの物を投げつける。新....
二十一」より 著者:坂口安吾
(今はもうなくなったが)へ芝居を見に行き、ここは靴を脱がなければならない小屋で、下足番が靴をぬぎなさいと言い、僕もそれをハッキリ耳にとめてここは靴をぬがなければ....
土足のままの文学」より 著者:織田作之助
」や「ユリシーズ」は土足のままの文学だ。僕は土足のままとまで行かなくても、せめて下足番から下駄を……と言われた時、いや僕ははじめからはだしでして……と言えるよう....
京鹿子娘道成寺」より 著者:酒井嘉七
まで、ひと通りのお取調べがあったようでございまして、そのはてには、楽屋の入口で、下足番のような仕事をいたしております親爺の方にまで、色々なお尋ねがあったそうでご....
「生活」+「戦争」+「競技」÷0=能」より 著者:癋見鈍太郎
る。そのほか駅の構内で怒鳴りまわる貨物仲仕の声、魚市場の問屋のセリ声、物売の声、下足番の声、又は狂い飛ぶ火花と、轟々たる機械の大噪音の中に、一糸を乱さず、職工を....
わが町」より 著者:織田作之助
ところが、なんということか、君枝は間もなくきびしい他吉のいいつけで、日の丸湯の下足番に雇われた。学校から帰って宿題を済ませたあと、三助が湯殿を洗う時分まで、下....