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下車
「下車〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
下車の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
い」 「こりゃ芝居よりおもしろいでございましょう」 乗客は忙々《いそがわしく》
下車して、思い思いに別れぬ。最後に威儀ある紳士はその母の手を執りて扶《たす》け下....
「浜菊」より 著者:伊藤左千夫
汽車がとまる。瓦斯《ガス》燈に「かしはざき」と書いた仮名文字が読める。予は
下車の用意を急ぐ。三四人の駅夫が駅の名を呼ぶでもなく、只歩いて通る。靴の音トツト....
「麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
しては、不審な行動と思われないこともないこと。(五)園部が、わざと星尾と同じ駅に
下車し、しかも人殺しの兇器になりそうな文鎮を買って持っていたことなど、不審と言え....
「階段」より 著者:海野十三
ころに、わが友江田先生の統計趣味の誇りがあるといってよい。 で、僕は「省電各駅
下車の乗客分類」という可なり大規模の統計が行われるとき、人手が足らぬから是非に出....
「春の上河内へ」より 著者:板倉勝宣
行できた寝不足の身体は、今日山に入ることを拒んでいる。はやる心を抑えつつ穂高駅に
下車した。迎えにきてくれた寺島寅吉老人と春にしては暖かすぎる田圃道を牧に向かった....
「千早館の迷路」より 著者:海野十三
結局帆村は、田鶴子の跡を追うことにしたのである。それで春部カズ子を連れて那谷駅で
下車したんだが、この那谷駅で
下車するということは、もう一つ別の方向よりする示唆が....
「売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
人の、住居が芝の高輪にあるので、毎日病院へ通うのに、この院線を使って、お茶の水で
下車して、あれから大学の所在地まで徒歩するのが習であったが、五日も七日もこう降り....
「わがまま」より 著者:伊藤野枝
登志子の頭を瞬間に通りすぎた。 まき子が大さわぎして降りる後から登志子は静かに
下車した。降りると少し離れた向側の人と人との間にチラと覚えのある叔父の外套の袖が....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
頤深く、優しらしい眉が前髪に透いて、ただ差俯向く。 六 「この次で
下車るのじゃに。」 となぜか、わけも知らない娘を躾めるように云って、片目を男に....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
、正しく他に嫁せらるるのである……ばかりでない、次か、あるいはその次の停車場にて
下車なさるるとともにたちまち令夫人とならるる、その片袖である。自分は生命を掛けて....
「発明小僧」より 著者:海野十三
符や乗車券を渡して置くと、「折らないで下さい」と再三注意を与えて置くにも係らず、
下車のときにはクルクルと巻物のように捲いてしまう者あり、或いはもうこれ以上折れな....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
女房からそんなことが伝えられた。洋服を着た周旋屋がきょろきょろと隣村の停車場から
下車して、この部落へも姿を現すのを彼とて知らぬわけはなかった。軍需景気で、東京方....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
来てくれた。大体駅長さんはその土地、土地のいろいろな状況に通じた人であって、駅に
下車するといつも駅長室で私はそれぞれの駅長さんに逢って、いろいろと案内してもらう....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
がり、蔭涼しそうなるも有り、車行早きだけ、送迎に忙わし。 成田線なる木下駅にて
下車す。船頭待ち居て、支度は既に整えりという。喜びて共に河辺に至る。洋々たる水は....
「むかでの跫音」より 著者:大倉燁子
れたような寒さを感じたのでした」 話に夢中になっているうちに、乗客は一人残らず
下車してしまい、がらんとした車室には先生と私とだけが相対しているのだった。 「そ....