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「不二〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不二の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
不思議な島」より 著者:芥川竜之介
と同時に僕の口はあっと云う声を洩らしそうになった。 鏡面には雲一つ見えない空に不二《ふじ》に似た山が聳えている。それは不思議でも何でもない。けれどもその山は見....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
》は不思議もない。そもそも天上皇帝とは、この天地《あめつち》を造らせ給うた、唯一不二《ゆいいつふじ》の大御神《おおみかみ》じゃ。この大御神を知らねばこそ、方々は....
樗牛の事」より 著者:芥川竜之介
《くのうざん》へ行って、それからあすこへまわったかと思う。あいにくの吹き降りで、不二見村《ふじみむら》の往還から寺の門まで行く路が、文字通りくつを没するほどぬか....
富士」より 著者:岡本かの子
いつとしもなく聞えなくなった。 福慈の岳の噴煙は激しくなって、鳴動をはじめた。不二の嶺《ね》のいや遠長き山路をも妹許《いもがり》訪へば気《け》に呻《よ》はず来....
両国の秋」より 著者:岡本綺堂
と見当が付かなかった。 橋を渡り尽くしてお君も初めてさとった。お絹は列び茶屋の不二屋《ふじや》を目指しているらしく、軒提灯の涼しい灯のあいだを横切って通った。....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
は俄かに形をあらためて半七に会釈《えしゃく》した。熊蔵の紹介によると、彼はここの不二屋に勤めている権七というもので、お此が浜川に住んでいることは彼の口から洩らさ....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
すきでしょうか」 「はあ」 「では、会っていただけます?」 「はあ」 「心斎橋の不二屋でお待ちしていますわ」 「はあ」 「すぐ来ていただけます?」 「はあ。不二....
闖入者」より 著者:大阪圭吉
。見るからに画家らしい二人の男は川口亜太郎とその友人の金剛蜻治、女は亜太郎の妻|不二、やがて三人が岳陰荘の玄関に着くと、あらかじめ報のあったものと見えて山荘に留....
海底都市」より 著者:海野十三
。 その用箋の上には次のような文字がしたためてあった。 ――君は九日午後七時|不二見台《ふじみだい》に立っているだろう。これが第二回目の知らせだ。 これを読....
停車場の少女」より 著者:岡本綺堂
たね。」 継子さんの兄さんは嬉しそうにわたくし共を迎えてくれました。お兄さんは不二雄さんと仰しゃるのでございます。不二雄さんはもうすっかり癒ったと言って、元気....
山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
大性が見られるのである。 山越し像についての伝えは、前に述べた叡山側の説は、山中不二峰において感得したものと言われているが、其に、疑念を持つことが出来る。 観経....
明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
り、現象は動的である。その動的の方面を現象とし、静的の方面を実在とするので、動静不二、両者は全然同一体の両方面に過ぎないのであるが、思想家によっては単に動のみを....
花模様女剣戟」より 著者:小野佐世男
で女剣戟団は二百組も都会から都会へ東京近郊だけでも十五、六組あるという。家元格の不二洋子は本年三十九歳、フレッシュなお若いところでは筑波澄子劇団の座頭は花もはじ....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
で、「煩悩即菩提」(迷いや欲の本性は取りも直さず悟りのもと)と言ったり、「凡聖|不二」(愚かしい心と霊知の心と根は一つ)と言うのは、この事を指しているのです。 ....
」より 著者:織田作之助
昼、活動へ連れて行った友子にいきなり、ホテルへ行こう。承諾させ、ホテルへ行く前に不二屋でランチをたべた。そして、運ばれた皿に手をつけず、ナフキンをこな/″\に千....