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「不仁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不仁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
茶の本」より 著者:岡倉覚三
る事をいっそういましめて、もっと壮大な気持ちになろうではないか。老子いわく「天地不仁(三三)。」弘法大師いわく「生まれ生まれ生まれ生まれて生の始めに暗く、死に死....
高島異誌」より 著者:国枝史郎
ござるかな?」 「いやいや何故も兎角も不用、一刻も早く追い出しめされ」 「それは不仁と申すもの、理由の説明無いからには、左様な不親切は出来ませぬ」 純八は首を....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
熟々と水を眺め、喟然として「仁水だ喃」と嘆じた。趣味を先ず第一に見る其子の為にも不仁の水とは云われない。此水あるが為に田圃がある。春は紫雲英の花氈を敷く。淋しい....
弟子」より 著者:中島敦
下ったが、傍にいた子路にはどうしても頷《うなず》けない。早速、彼は口を出す。仁・不仁はしばらく措《お》く。しかしとにかく一身の危《あやう》きを忘れて一国の紊乱《....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
めていうには、一人の能く救う所には限がある、良法があるのにこれを秘して伝えぬのは不仁であるといった。そこで独美は始て誓紙に血判をさせて弟子を取った。それから門人....
十二支考」より 著者:南方熊楠
譚原』二巻一一頁)。猪の美質を挙げた例このほか乏しからず。貝原益軒は、猫は至って不仁の獣なるも他の猫の孤児を乳養するは天性の一長と称讃したが(『大和本草』一六)....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
といえば頭痛、驚風といえば神経疾患、中風といえば脳溢血《のういっけつ》其他からの不仁の病、痛風はリウマチス、猶|馬痺風《ばひふう》だの何だのと云うのもあって、病....
食糧騒動について」より 著者:与謝野晶子
想とを教えないで置けば、自己の死活に関する大問題の前に、こういう無秩序、不節制、不仁狂暴の動物的妄動を敢てするに到るものであるかと思って、私はむしろ官僚教育の効....
『尚書』の高等批評」より 著者:白鳥庫吉
に之を擧げて帝王の位を讓れりといへる、その孝悌をいはんがためには、その父母弟等の不仁をならべて對照せしめしが如きは、之をしも史實として採用し得べきや。又禹の治水....
十二支考」より 著者:南方熊楠
丸しとある(『譚海』一五)。貝原篤信先生は、ちと鼠から咬まされた物か、猫を至って不仁な獣と貶《けな》し、鼠は肉、肝、胆、外腎、脂、脳、頭、目、脊骨、足、尾、皮、....
妾の半生涯」より 著者:福田英子
事犯者を以て遇せられ、その待遇長崎の厳酷《げんこく》なりし比に非ず。長崎警察署の不仁《ふじん》なる、人を視《み》る事|宛然《さながら》犬猫なりしかば、一時は非常....
自警録」より 著者:新渡戸稲造
を忘れぬ以上は、金《かね》は邪魔《じゃま》にもならぬし、悪用もされぬ。富む者必ず不仁《ふじん》ではない。また不仁《ふじん》のみ富むわけでもない。 従来、英米の....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
の中へ、切り落としたことはあるが、同じ仲間を、穴へ落として生き埋めにするとは不義不仁の至り、直ちに引き上げよと拙者申したところ、突然勘兵衛め、拙者に切り付けおっ....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
れるなよ。」 葬式彦兵衛は眼だけで笑って口の中で呟いた。 「ああ、身も婦人心も不仁慾は常、実《げ》に理不尽の巧《たくみ》なりけりとね。」 四 深....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
悪いぞ。 己は馬鹿げた下手を遣った。外聞の悪い。 大為事が無駄になってしまった。不仁身になっている悪魔のくせに、 劣情や無意味な色気を出したからな。 世間を知っ....