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不住
「不住〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不住の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
うでござる。」そこで、「そなたは何処のものじゃと御訊《おたず》ねあったれば、一所
不住《いっしょふじゅう》のゆだやびと」と答えた。が、上人も始めは多少、この男の真....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
日も欠くべからざる者である。それでなければ坊主の慣用する手段を試みるがよい。一所
不住《いっしょふじゅう》の沙門《しゃもん》雲水行脚《うんすいあんぎゃ》の衲僧《の....
「創生記」より 著者:太宰治
落ちてこのかた、この検事局に於ける大ポオズだけを練習して来たような老いぼれ、清水
不住魚、と絹地にしたため、あわれこの潔癖、ばんざいだのうと陣笠、むやみ矢鱈に手を....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
す方は、それがどうしてもできないことだと御承知くださると考えます。出家の身は一所
不住と申しまして、一木の下、一石の上へなりとも二度とは宿らぬ願いでございます、あ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ちの生涯は自由放浪のほかには立場がないと信じているためらしい。 昔の出家は一所
不住といって、同じところへは二度と休むことさえもしなかったそうだが、自分のはそれ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
めにではなかった……かくも汝努むれど、そは汝自身のためならず……。それはこの一所
不住の利用者らのためにであった。彼らは自国の伝統を喜んで蹂躙《じゅうりん》するが....
「梟雄」より 著者:坂口安吾
れは商売の資本のためであった。燈油行商の地盤ができると、女房は不要であった。一所
不住は仏門の妙諦である。 彼は諸国をわたり歩き、辻に立って油を売った。まず一文....
「十二神貝十郎手柄話」より 著者:国枝史郎
人加藤近栄(今は鷹匠町の町道場の主)、土方家の浪人品川長康(今は虚無僧として一所
不住)、大久保家の旧家臣高橋成信(今は七ツ寺の大道売卜者)、青山家の浪人西郷忠英....
「寝床〔扉の言葉〕」より 著者:種田山頭火
ちつかせるものかと自分ながら驚ろいているのである。 仏教では樹下石上といい一所
不住ともいう。ルンペンは『寝たとこ我が家』という。しかし、そこまで徹するには悟脱....
「木綿以前の事」より 著者:柳田国男
漢字を宛てて弁じたので、どちらが元やら後には不明になったが、少なくとも遊行が一処
不住の漂泊生涯を意味していたことは、遊行上人などの例を比べてみてもよく判る。遊行....
「賤民概説」より 著者:喜田貞吉
とは少く、長途の旅行を常に行うものは、大抵廻国の頭陀か、浮浪民かで、いわゆる一処
不住の旅芸人、或いは渡り職人、旅商人とか、乞食法師とかの類であったが、かかる類の....