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不健康
「不健康〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不健康の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「土曜夫人」より 著者:織田作之助
屋の坂野という楽師だと判った。 ホールがひけて帰って来たのであろう。いつもより
不健康に濁った声が、夜更けの時間と、肩に掛けたアコーディオンの重さをガラガラと無....
「橡の花」より 著者:梶井基次郎
はなくなりました。一つは酒類を飲まなくなったせいかも知れません。然しやはり精神が
不健康になります。感心なことを云うと云ってあなたは笑うかも知れませんが、学校へ行....
「白蟻」より 著者:小栗虫太郎
しょうき》に抵抗力の強い大型な黄金《こがね》虫ややすでやむかで、あるいは、好んで
不健康な湿地ばかりを好む猛悪な爬虫以外のものは、いっさいおしなべてその区域では生....
「性急な思想」より 著者:石川啄木
の特質である事を知り、自分もそれらの人々と共に近代文明に醸《かも》されたところの
不健康(には違いない)な状態にあるものだと認めたとする。それまでは可い。もしもそ....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
にあふれた腫れぼったい瞼があった。顔の色はこれがほんとの蒼いのだといいたいくらい
不健康な色をしていた。身体には汚れきった花模様のあるメリンスの着物を着ていた。こ....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
く、百合子が言いました。 勝見が此の家を去ってからのち、嫂は果してすこしずつ、
不健康になって行ったようです。ときには、ひどい発作を起して、流石の百合子も介抱に....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
力の発達した頭脳を持っている割に、胃袋があまりに小さすぎるのです。それで、非常に
不健康な眼、つまり視覚上の錯覚を生ずるのですよ。あなたの胃を丈夫になさい。そうす....
「道」より 著者:織田作之助
みが容易につかなかったらしい。そしてそれが何よりいけなかったのだ。そのアパートの
不健康さについては前に述べたが、殊に彼の部屋ときてはお話にならぬくらいひどかった....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
な太い静脈が額に絡み合っている。亭主の不身持か、世帯の苦労か、産後からひき起した
不健康か。一番大きな原因に思えそうなのはもうすっかり命数だけの子供を生んでしまっ....
「久野女史をいたむ」より 著者:兼常清佐
ていた。またそれ以上に一般には音楽を理解する途がわからなかった。そして女史もその
不健康な空気の中に生きていた。それは感情的な女性の弱点である。決してたれも今更そ....
「贋物」より 著者:葛西善蔵
皆なでいっしょにここにいるの。……早く来るといいねえ」 「あア……」 こうした
不健康な土地に妻子供を呼び集めねばならぬことかと、多少暗い気持で、倅の耕太郎とこ....
「噴水物語」より 著者:岡本かの子
す為めに世紀末のフランスの廃頽詩人たちが喫んだアッシという土人の煙草なぞはおよそ
不健康な恍惚の痺れです。噴水の恍惚は醒めたあと愈々精神を明澄にします」 ちょう....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
あります。 大阪市が世界一の乳児死亡率を持ち、世界一の肺病都市であり、世界一の
不健康な都市であるとするならば、私――すなわち諸君の市長が第一の事業は諸君に対す....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
にとっては感謝すべき無名戦士の墓です。 また、熱だの痛みなどというものも肉体が
不健康状態に陥ったとき、それを知らせる肉体機構の妙用で、いわば警報器です。 私....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
く間に彼は救われるのだ――僕はまた、以前よりは倹約家になった…… 不幸なことに
不健康という嫉妬ぶかい悪魔が僕の行く手を妨げに来た。三年以来僕の聴覚は次第に弱く....