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「不備〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不備の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
想片」より 著者:有島武郎
口火をなしたのにすぎない。それゆえ始めの間の論駁《ろんばく》には多くの私の言説の不備な点を指摘する批評家が多いようだったが、このごろあれを機縁にして自己の見地を....
泥濘」より 著者:梶井基次郎
ていたので出歩くにも出歩けなかった。そこへ家から送ってくれた為替にどうしたことか不備なところがあって、それを送り返し、自分はなおさら不愉快になって、四日ほど待っ....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
。では、その境界争いはなんのために起ったか。貪ろうとしたのか? それとも、条文の不備か? 何のためかというに、それは、このピルコマヨという化物のような、じつに不....
親子」より 著者:有島武郎
れに引きかえて、父は一心不乱だった。監督に対してあらゆる質問を発しながら、帳簿の不備を詰って、自分で紙を取りあげて計算しなおしたりした。監督が算盤を取りあげて計....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
あるか――それを問いたいのだよ」 と法水の顔に微かな紅潮が泛び上って、五芒星の不備を指摘する、メフィストの科白(」 「ああなるほど、毛髪と鍵の角度に水! これ....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
かったこの瀬戸を、ついに見付けだした偉大な発見者、折竹。前ミュンツァ博士のような不備なものではなく、もし政府が躊躇せず立ちどころに追認すれば、グリーンランドの北....
日本脱出記」より 著者:大杉栄
牢にはいって、今追放されるのだと言うんだから、いずれ旅券か身元証明書の上の何かの不備からなのだろう。そしてその色男らしい風采や処作から推すと、どうも「マクロ」ら....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
うた。 実はあれだけ立派な証拠を残して来た犯罪事件ではあったが、震災直後の手配不備のせいであったか、それから一月経っても、二月経っても、司直はミチミたちを安穏....
岡本一平論」より 著者:岡本かの子
へ帰って来た時の顔など、いまにも泣き出し相な小児の様に悄気返ったものです。以上|不備乍ら課せられた紙数を漸く埋めました。....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
常に疲労を覚え、脳の底部に激痛を感じた。その原因は何であったか?』 現代立法の不備――汝が頭痛を覚えたのは、畢竟われ等が、あまりに多量の力を用い、しかもそれが....
雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
ほんのわずかな権限を。 監督の実際は、会社の方針、検閲制度、経済的制御、機械的不備、スターの精神異常、こういつた種類のこわい鬼どもの昼寝のすきをねらつてささや....
錦紗」より 著者:犬田卯
つもりだった。非常な醜女であるとか、どこか脚でも曲っているとか、そういう肉体的な不備でもあるのだったろうか。いや、たとえばいっしょにお風呂へ入ったようなとき、朋....
妖怪報告」より 著者:井上円了
新聞にてちょっと承りしが、不思議研究会にて御発言の節、御説明願いたく候なり。草々不備。 ○ 左に、茨城県久慈郡下小川村、市毛雪氏より報知あ....
岩波文庫論」より 著者:岩波茂雄
深く感謝している。ただ志いたずらに高く、微力にして期するところ意に従わず、幾多の不備、粗漏があって古典を冒涜することなきかを恐れている。今後も御批判、御忠言、御....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
、二葉亭は総てこの見地から人を見ていた。例えば下層社会の低劣な品性の如きも教育の不備よりはむしろ精神欠陥に帰し、一時好んで下層社会に出入するやライフの研究者を任....