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不入り
「不入り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不入りの前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「中味と形式」より 著者:夏目漱石
いる。これは幸いだ――とは思いません、また困ったとまでも思いません。けれどもまあ
不入りだろうと考えながら控席へ入って休息していると、いつの間《ま》にやらこんなに....
「象牙の牌」より 著者:渡辺温
で落ちてみる事になったのです……所が、上海でもまた、初手からお話にならないひどい
不入りでして――もともと、殆ど西洋と云ってもいい位なこの都で怪しげなジャップたち....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
れ程、嬉しそうな顔をしたので見ると、狂言には、屹度《きっと》、魂がはいる。この頃
不入り続きの中村座。この顔見世で、存分お釜《かま》が起きようわい――
奥役が去....
「二重心臓」より 著者:夢野久作
すからこの室を出て行って頂戴……」 事件当夜……八月四日の呉服橋劇場は、非常な
不入りであった。その日の夕刊を見た人々は皆、当然の休場を予想していたらしく、毎日....
「夢鬼」より 著者:蘭郁二郎
の知れぬ魅惑をも感じた。 しかし、次に見た「予言の夢」は、不吉にも、この一座が
不入りを極めた夢だった。 しかも、それがピッタリと、陰画から焼付られた陽画のよ....
「寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
のみで劇的の場面が少なく、時は歳末といい、俳優も中流であったので、かたがた不評の
不入りに終わった。 その翌年、三十三年八月に円朝は世を去ったのである。その年の....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
ある」 里虹の行衛が知れなくなって何月目か後のこと、警察でも尋ねあぐんで、結局
不入りのための失踪ということでケリをつけたのだが、その日、先夜の四人を前に儀右衛....
「虎」より 著者:岡本綺堂
てみても判ることだが、同じような映画館がたくさんに列んでいても、そのなかに入りと
不入りがある。両国の観世物小屋にもやはり入りと
不入りはまぬかれないので、何か新し....
「朱絃舎浜子」より 著者:長谷川時雨
座、英、米、仏人混合の一座をかけたりしたが、言葉がわからないので一般には不向きで
不入りだったという、種々《いろいろ》の経緯はあったが、新富座は劇道人の向上にはた....
「小説 円朝」より 著者:正岡容
真似をしたとか何とか大そう自分のことを悪しざまに罵っていたと耳にした。 端席の
不入りは自分が未熟だったのだし、師匠の旅中に断らずやったのは手落ちだったかもしれ....
「わが寄席青春録」より 著者:正岡容
けに泊めてくれた自宅の方に温泉が湧いており、なかなか愉しかったが、もちろんお客は
不入り。従って二日目を打ち上げても一文ももらえるお金はないはずを、中年の好人物ら....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
かりだという不評で、一向に客足が付かなかった。わたしの見物した日も気の毒なような
不入りで、ここには“多摩川の河原”が一面に大きく開けていた。 ここでまた、場代....
「明治演劇年表」より 著者:岡本綺堂
は一番目を「千本桜」に換え、二番目をそのままにして、菊五郎が河内山を勤めたるも、
不入りに終る。 ○七月一日、歌舞伎座にて仏国人の魔術を興行。その技術あまりに拙し....