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不全
「不全〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不全の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「武装せる市街」より 著者:黒島伝治
ちら/\していた。ベッドには病人がねていた。肋膜炎、腎臓炎、胃かいよう、心臓弁膜
不全症――内科と外科は別だった。多くの部屋を区切った扉は、次々に、バタン、バタン....
「道標」より 著者:宮本百合子
伸子は、古い絵に描かれているヴィナスさえも蒼白く肩がすぼけて、腹のふくらんだ発育
不全の女の姿で、冷たく魚のようで気味がわるい、とくりかえし云ったからだった。
「....
「地球要塞」より 著者:海野十三
潜水艇のように、潜水設備のあるものが相当多かった。つまり、潜水のできない艦船は、
不全だというわけである。 わが艦船が、こういう潜水式に改められるまでには、十年....
「不沈軍艦の見本」より 著者:海野十三
するの能力がなかったのだ。今にしてはっきり知る、自分たちの頭脳は揃いも揃って発育
不全であったことを! ああ情けなや) と、彼らの多くは、それ以来すっかり気力を....
「楢重雑筆」より 著者:小出楢重
出したところの血液が多少もとへ逆流するらしいのだ。医者の方では、これを僧帽弁閉鎖
不全というそうである。簡単にいうと出来損ねた心臓である。出来損じたものには幸いな....
「白い壁」より 著者:本庄陸男
いてきた。今になって杉本は、この低能組の受持に恰好した自分を発見した。すると発育
不全の富次が自分の肉体の一部分みたいにいとおしくなり、濡れた着物のままぐいと脇の....
「探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
六の筈であるが、打見はようよう十一二くらいにしか見えない、ほとんど不具に近い発育
不全の少年であった。耳は多少きこえるらしいが、口は自由にまわらない。ただ時々に野....
「光り合ういのち」より 著者:倉田百三
あった。 この姉は十二、三の時ロイマチスをやり、それが元で心臓を悪くし瓣幕閉鎖
不全症であった。長生き出来ないことを自分も、親も知っていた。それで父母はなるべく....
「金狼」より 著者:久生十蘭
女〉はその後杳として行衛が知れないのだった。しかしその存在は肯定されていた。智能
不全な〈那覇〉のボーイの幻視ではなかったのである。〈その女〉を認めた人間が、ほか....
「名古屋スケッチ」より 著者:小酒井不木
かつたゝめ、大津町筋を真直にすることが出来ず、電車線路が歪んで居るところは、弁膜
不全の心臓を見るやうである。赤煉瓦の建物など、どう考へても時代遅れだが、その時代....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
まけに彼女自身御主人を持つためにいつまでも苦労しなければならないだろう。 性的
不全に関するろこつな噂話の、発する源はもっと微妙な、しかも相当具体的な事実にある....