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「不動尊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不動尊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
春の潮」より 著者:伊藤左千夫
子供の時から、随分母に苦労をかけたのである。省作が永く眼を煩った時などには、母は不動尊に塩物断ちの心願までして心配したのだ。ことに父なきあとの一人の母、それだか....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
すべき方なくして、仏の中に逃げ入りて不動を念じ給ひける程に、使求めけるに、新しき不動尊仏の御中におはしけり。それ怪しがりて抱き下ろして見るに、大師もとの姿になり....
名人長二」より 著者:三遊亭円朝
をしても手廻らぬほど忙しい事でございました。其の年の四月から五月まで深川に成田の不動尊のお開帳があって、大層賑いました。其のお開帳へ参詣した帰りがけで、四月の廿....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
を示す神の祠もある。十二|権現とか、神山霊神とか、あるいは金剛道神とかの石碑は、不動尊の銅像や三十三度供養塔なぞにまじって、両部の信仰のいかなるものであるかを語....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
石碑銅像には手も触れてない。そこに立つ両部時代の遺物の中にはまた、十二権現とか、不動尊とか、三面六|臂を有し猪の上に踊る三宝荒神とかのわずかに破壊を免れたものの....
連環記」より 著者:幸田露伴
親しみ、此方に遠ざかれば、此方は愈々火の手をあげる。愈々逃げる、愈々燃えさかる。不動尊の背負って居らるる伽婁羅炎という火は魔が逃げれば逃げるだけ其|火※が伸びて....
菎蒻本」より 著者:泉鏡花
。辻には長唄の流しも聞えた。 この七の日は、番町の大銀杏とともに名高い、二七の不動尊の縁日で、月六斎。かしらの二日は大粒の雨が、ちょうど夜店の出盛る頃に、ぱら....
不動像の行方」より 著者:田中貢太郎
きりと映しだした。 「甚六、早く往かんか、甚六」 監物の声はうわずって聞えた。不動尊の木像はその夜のうちに戸波の積善寺に返して、薬師堂の中へ元のように納めた。....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
に出て来やがったんだ」 米友がこいつだと言ったのは、勿体《もったい》なくも大聖不動尊《だいしょうふどうそん》の掛軸でありました。かなり大きな軸であるが、ずいぶ....
後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
汲では夫|國藏に浴せて居ります。國藏は一心不乱に眼を閉じ合掌して、 「南無大聖不動尊、今一度お母上様の御病気をお助け下さりませ」 文「これ其処に居るのはお浪....
南国太平記」より 著者:直木三十五
た」 「次に―― 一つ、先比《さきごろ》遣候修法は、当正月元日よりはじめ申候、不動尊も大慶に存候、両尊共に修法いたし候―― 公も、われわれの申分を聞入れて....
知々夫紀行」より 著者:幸田露伴
たれば、本尊の御姿など乞い受けて、来し路ならぬ路を覚束なくも辿ることやや久しく、不動尊の傍の清水に渇きたる喉を潤しなどして辛くも本道に出で、小野原を経て贄川に憩....
日和下駄」より 著者:永井荷風
景の狂歌にもある通り昔からの名所である。蜀山人の記に曰く 東豊山|新長谷寺目白不動尊《しんちょうこくじめじろふどうそん》のたゝせ玉へる山は宝永の頃|再昌院法印....
オシラ神に関する二三の臆説」より 著者:喜田貞吉
については、寡聞未だ確かな説の発表された事を聞かぬ。佐々木君に従えば、姉崎博士は不動尊の原名なる阿遮羅尊をもってこれにあてられたという。あるいはこれを阿修羅にあ....
すみだ川」より 著者:永井荷風
く鳴り虫が静《しずか》に鳴いている。師匠のお豊《とよ》は縁日ものの植木鉢を並べ、不動尊《ふどうそん》の掛物をかけた床《とこ》の間《ま》を後《うしろ》にしてべった....