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不動心
「不動心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不動心の前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
たようじゃ。が、赦免の下《くだ》らぬものは、何をどうしても、船へは乗れぬ。おれは
不動心を振い起しながら、何故《なぜ》おれ一人赦免に洩《も》れたか、その訳をいろい....
「道徳の観念」より 著者:戸坂潤
な敬愛すべき哲人だったので有名だが、その道徳理論は、略々ストアのゼノンと同じに、
不動心という知的エゴイズムに他ならなかった。 これ等の道徳理論家達は、ギリシア....
「悟浄出世」より 著者:中島敦
悟浄は控えめに口を挾《はさ》んだ。自分の聞きたいと望むのは、個人の幸福とか、
不動心《ふどうしん》の確立とかいうことではなくて、自己、および世界の究極の意味に....
「現代唯物論講話」より 著者:戸坂潤
――キニック・キレネー・ストア・エピクロス――に於ける、外界からの精神の自由、「
不動心」、となって支配する。――自由がこの際消極的であったのは、それが全くの自由....
「認識論とは何か」より 著者:戸坂潤
。彼は判断的な認識による真理の獲得を否定する。では何等の真理もないのかというと、
不動心というモラルが絶対的な目標なのだ。だからこの徹底的なピュロン主義と雖も、絶....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
論から一つの倫理法則がいやでも出て来るからだ。静止の道徳が夫である。この道徳律は
不動心とでもいうべきものだろう。外界のアフェクションから独立することがその意味だ....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
愛も快楽もない。そして、数世紀来必要上精力を消費してきて疲憊《ひはい》しつくし、
不動心の境地を渇望しながらそれに到達し得ないでいるそれらの、東方から根こぎにされ....