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「不即不離〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不即不離の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
連絡の綱となった。衆人の前では岡は遠慮するようにあまり葉子に親しむ様子は見せずに不即不離の態度を保っていた。遠慮会釈なくそんな所で葉子になれ親しむのは子供たちだ....
或る女」より 著者:有島武郎
いる人の手から、日本を去る前に思いきってして行った放資の回収をしてもらえるのだ。不即不離の関係を破らずに別れた自分のやりかたはやはり図にあたっていたと思った。「....
両国の秋」より 著者:岡本綺堂
放そうとは思わなかった。さりとて余りに接近するのも不安であった。つづめて言えば、不即不離《つかずはなれず》というような甚だあいまいな態度で、二人の関係を相変らず....
草枕」より 著者:夏目漱石
、振り返る男の体《たい》のこなし具合で、うまい按排《あんばい》につながれている。不即不離《ふそくふり》とはこの刹那《せつな》の有様を形容すべき言葉と思う。女は前....
吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
すね、学問をするものはどうせあんなですよ」と調子を合わせるような弁護をするような不即不離の妙答をする。「せんだってなどは学校から帰ってすぐわきへ出るのに着物を着....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
に、ルイ十三世朝|機密閣史の中から発見されたのだよ。いや言葉を換えて云おう。当時不即不離の態度だったけれども、新教徒の保護者グスタフス・アドルフス(瑞典王)と対....
応仁の乱」より 著者:菊池寛
しく、両氏は互いに義政を利用しようとして居る。ところが彼は巧みに両氏の間を泳いで不即不離の態度をとって居る。だから両軍から別に憎怨せられず、戦乱に超越して風流を....
連句雑俎」より 著者:寺田寅彦
であまりに突飛な音の飛躍も喜ばれないのはつまり離れ過ぎを忌むのである。次から次と不即不離な関係で無理なく自由に流動進行することによってそこにベートーヴェンやブラ....
俳諧の本質的概論」より 著者:寺田寅彦
式目のいろいろの規則は和声学上の規則と類似したもので、陪音の調和問題から付け心の不即不離の要求が生じ、楽章としての運動の変化を求めるために打ち越しが顧慮され去り....
万葉秀歌」より 著者:斎藤茂吉
れなかったのである。第三句の、「入日さし」と中止法にしたところに、小休止があり、不即不離に第四句に続いているところに歌柄の大きさを感ぜしめる。結句の推量も、赤い....
丹下左膳」より 著者:林不忘
が、陽うららかな宇都宮街道を、先が急げば後もいそぎ、緩急|停発《ていはつ》ともに不即不離《ふそくふり》のまま、どこまでもどこまでもと練っていくところ、人が見たら....
貞操問答」より 著者:菊池寛
くれたほどの手ぬるさで、許してくれると思っていた。だって、お姉さまは、美沢さんに不即不離だったんだもの、私の方がハッキリ愛しているんだものと、思っていた。だから....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
が衆生心に据わって物を言っているのが親しまれた。 鶴見は鶴見で、『起信論』とは不即不離の態度を取って、むしろ妄心起動を自然法爾の力と観て、その業力に、思想の経....
茶の本」より 著者:岡倉由三郎
の本の名を借り用いては、意外の連想から、本書の姿を見ひがめ、『茶経』そのものとの不即不離の関係を危うくする恐れがあることを村岡氏は懸念されたためである。 昭和四年一月三日 洋々塾にて 岡倉由三郎....
中世の文学伝統」より 著者:風巻景次郎
』の著があり、家集は『亜槐集』という。 右のように血がつづいて、つねに二条家と不即不離に添ってきたので、歌壇を掌握したことはないが、長く歌の家であった。今や二....