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不可侵
「不可侵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不可侵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「道徳の観念」より 著者:戸坂潤
――つまり道徳の問題となる時初めて、不変者は真の意味での絶対者となる。神聖にして
不可侵なもの、批評を加えるべからざるもの、となるのだ。 だから道徳の不変性とい....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
を置かれず、庭園などの所有地も、他人の自由通行に委せられていたが、ただ家屋のみは
不可侵界であって、 「各人の家は彼の城なり」(Every man's hous....
「ワンダ・ワシレーフスカヤ」より 著者:宮本百合子
ソヴェト同盟との間にとりかわされていた
不可侵条約をやぶって、ナチス軍がポーランドからウクライナへ、モスクワへ、レニング....
「労働者農民の国家とブルジョア地主の国家」より 著者:宮本百合子
の野蛮な形態であるという現実を覆い、伝統的な神秘化によって、さも天皇は本来、一種
不可侵の道徳的優越性、絶対的尊厳を賦与されて綿々とつづくところの「神人」による支....
「地球要塞」より 著者:海野十三
いたのだ。 夢でないとすれば――近づくあの足音の主は、誰であろうか? 絶対|
不可侵《ふかしん》を誇っていたクロクロ島に、私の予期しなかった人物が、いつの間に....
「私の信条」より 著者:宮本百合子
スロヴァキアとを合併した。五月末に独伊軍事同盟が結ばれ、三ヵ月のちの八月には独ソ
不可侵条約を締結した。ヒトラーの政府はラジオをもってこのことを公表した。ナチス軍....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
。特に夫が国民的信念というような法定常識によって裏づけられたり何かすると、もはや
不可侵なタブーとなるのである。 日本文化統制方針の、最近の道徳化振りは観兵式か....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
、寸分の隙もない効果だった。夫人によれば、近代社会の大きな間違いは、男女の性別を
不可侵の事実として、これにだけは手をつけようとしないところにあった。なぜか? わ....
「原爆詩集」より 著者:峠三吉
戦争をやめる術さえ知らぬ、 君は知ってはいなかった ナチを破ったソヴェートの力が
不可侵条約不延期のしらせをもって 帝国日本の前に立ち塞がったとき もう日本の降伏....
「死刑囚最後の日」より 著者:豊島与志雄
く、ルイ十一世やリシュリューやロベスピエールなどの野蛮な刑罰を除き、人間の生命の
不可侵性を法律の額に記入することは、近代のもっとも寛仁な民衆運動たるこの革命の仕....
「範疇としての空間に就いて」より 著者:戸坂潤
於ける――単に物理的ばかりではなく心理的に見えること触れることなどをも含めた――
不可侵透性(Undurchdringlichkeit)と呼んでよいであろう。この....
「植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
単生花を出すツバキ属、そして時々聚繖花を出すチャ属とは自然にその間に一目瞭然たる
不可侵の境界線を画するものである。要するにこの両属の主要な区分点はこの点に尽きて....
「恐怖の季節」より 著者:三好十郎
的「必然性」の定跡で武装してある。つまり、伸子(したがって深い所で作者)は、絶対
不可侵に神聖に守られているのである。実に用意周到だ。この種の用意周到さはブルジョ....
「原子爆弾雑話」より 著者:中谷宇吉郎
を一挙に驚愕《きょうがく》の淵《ふち》に陥《おとしい》れた。そして次の年には独ソ
不可侵条約が締結され、秋にはもうポーランド問題をめぐって、英国が独逸《ドイツ》に....
「戦争ジャーナリスト論」より 著者:戸坂潤
ということも事実なら、又事軍機に関すると云われる限り、この専門的知識も国民の前に
不可侵なタブーとなってひけらかされるにすぎぬのだから、軍事ジャーナリスト志願者の....