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不可思議
「不可思議〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不可思議の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「尾生の信」より 著者:芥川竜之介
が出来ない。昼も夜も漫然と夢みがちな生活を送りながら、ただ、何か来《きた》るべき
不可思議なものばかりを待っている。ちょうどあの尾生が薄暮《はくぼ》の橋の下で、永....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
誉《きよ》に煩わされる心などは、とうに眼底を払って消えてしまった。あるのは、ただ
不可思議な悦《よろこ》びである。あるいは恍惚《こうこつ》たる悲壮の感激である。こ....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
におい》を漂わせていた。それはこの庭の静寂に、何か日本《にほん》とは思われない、
不可思議な魅力《みりょく》を添えるようだった。
オルガンティノは寂しそうに、砂....
「葱」より 著者:芥川竜之介
とする乗合自動車のモオタアのごとく、轟く胸の中に描いているのは、実にこの来るべき
不可思議《ふかしぎ》の世界の幻であった。そこには薔薇《ばら》の花の咲き乱れた路《....
「尼提」より 著者:芥川竜之介
のを厭《いと》わず、もう一度他の路へ曲って行った。如来が彼の面前へ姿を現したのは
不可思議《ふかしぎ》である。が、あるいは一刻も早く祇園精舎《ぎおんしょうじゃ》へ....
「大川の水」より 著者:芥川竜之介
て動いているという気がする。しかもその動いてゆく先は、無始無終にわたる「永遠」の
不可思議だという気がする。吾妻橋、厩橋《うまやばし》、両国橋の間、香油のような青....
「少年」より 著者:芥川竜之介
海苔粗朶《のりそだ》の向うに青あおと煙っているばかりである。……
けれども海の
不可思議を一層|鮮《あざや》かに感じたのは裸《はだか》になった父や叔父《おじ》と....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
た」と形容しても好い筈《はず》である。
もし通用さえするならば、――万事はこの
不可思議なる「通用」の上に懸っている。たとえば「わたくし小説」もそうではないか?....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
可能視なさる事が出来ましょう。それほど、私が閣下の御留意を請いたいと思う事実には
不可思議な性質が加わっているのでございます。ですから、私は以上のお願いを敢て致し....
「或る女」より 著者:有島武郎
は暗くばかりなって行った。葉子には、今まで自分が考えていた生活のほかに、もう一つ
不可思議な世界があるように思われて来た。そうしてややともすればその両方の世界に出....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
思う。その母上の愛は遺書にあるようにお前たちを護らずにはいないだろう。よく眠れ。
不可思議な時というものの作用にお前たちを打任してよく眠れ。そうして明日は昨日より....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
でもある。それは天地万有の原因であり始源である。老子自身の言葉によれば『道は深く
不可思議で、万有の始源である。道は静かに明らかで永遠に輝く一つの観念である。道は....
「最終戦争論」より 著者:石原莞爾
いとて大乗経を軽視する人もありますが、大乗経典が仏説でないことが却って仏教の霊妙
不可思議を示すものと考えられます。 その次の五百年は禅定の時代で、解脱の時代ほ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
口で抜け目のないところと、単純にものを信じやすいところとが妙にまじりあっていた。
不可思議なことを好む食欲も、またそれを消化する力もなみなみでなかった。しかも、そ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
類の思想信仰を統一すべき霊格者であることが絶対的に必要である。仏の予言の適中の妙
不可思議が私の日蓮聖人信仰の根底である。難しい法門等は、とうてい私には分かりかね....