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不可測
「不可測〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不可測の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
の紅涙《こうるい》のごときはまさしくその現象の一つである。かくのごとく不可思議、
不可測《ふかそく》の心を有している雪江さんも、細君と話をしているうちはさほどとも....
「善の研究」より 著者:西田幾多郎
て知るべき者は自然の理法あるのみである、この外に天啓というべき者はない。勿論神は
不可測であるから、我々の知る所はその一部にすぎぬであろう。しかしこの外に天啓なる....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
し易《やす》くはなったが、そのために善くなったとは言えない。むしろ文学的作品は、
不可測であればあるほど、悟性で理解しがたければしがたいほど、善いものだと思ってい....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
後門《こうもん》竜《りゅう》を脱す。
はいる乾雲に出る坤竜。
それはまことに
不可測《ふかそく》なめぐりあわせであったが、栄三郎はついに乾雲の柄をたたいてにっ....
「掠奪せられたる男」より 著者:豊島与志雄
止っていた間は、彼はなお自己の主であることが出来た。然しその視点が腹部に、神秘な
不可測なる生命の息吹きと蠱惑とを有する女性の腹部にまで及んだ時、彼はもはや自己を....
「風景」より 著者:豊島与志雄
模糊たるものがあり、星雲の運行に似たものがあり、必然と偶然とが衝突しあって生ずる
不可測な力がある。この力を、吾々の知性は常に追求する。 この追求に身を以て当る....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
てを傍《かたわら》にうち捨てた。人をひきつけまた恐れさする不可思議な問題、抽象の
不可測な深淵、形而上学の絶壁、使徒にとりては神が中心たり無神論者にとりては虚無が....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
ける濃煙)というのを置いている。そして下部から上部への一種の浸透力によって、また
不可測な道をたどる比喩の助けによって、隠語は洞窟《どうくつ》からアカデミーまでの....
「西鶴と科学」より 著者:寺田寅彦
った次第である。 第一に気の付く点は、西鶴が、知識の世界の広さ、可能性の限界の
不可測ということについて、かなりはっきりした自覚をもっていたと思われることである....
「方則について」より 著者:寺田寅彦
蓄積せぬ事である。一定の位置並びに寒暖計の示す温度において測った金属棒の長さは、
不可測的の雑多な微細な原因のために、種々異なる価を与えても多数の測定の平均はある....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
」 「ヘエ。もうけてきやす」 サルトルはニコヤカに一礼する。自信満々たる様子。
不可測の才略は長範もよく心得ているから、奴めがあゝ言うからは委せておいて不安はな....
「黒田清隆の方針」より 著者:服部之総
の間に起りたる“アラバマ”一条|頗《すこぶ》る困難の事情に至り、或は争端を起すも
不可測との新聞を屡々《しばしば》検せり。欧州よりの新聞にて明瞭なるべし。 朝鮮....
「山の人生」より 著者:柳田国男
ある。 神隠しからのちに戻ってきたという者の話は、さらに悲しむべき他の半分の、
不可測なる運命と終末とを考える材料として、なお忍耐して多くこれを蒐集する必要があ....
「黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
ながら、絶大な漏斗を真二つに截ち割ったような奇怪な形をして、幾丈とも知れぬ脚下に
不可測の深淵を抱いている、それが花崗片麻岩の全石であるから驚く、天魔の加えた大丸....