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「不可解〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不可解の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
まさらのように思い出した。なぜその篤介を愛するようになったか?――それは広子には不可解だった。けれども妹の気質《きしつ》を思えば、一旦篤介を愛し出したが最後、ど....
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
た。だから彼は山間の春の中に、鳥や獣《けもの》のごとくさまよいながら、幸福と共に不可解な不幸をも味わずにはいられなかった。 彼はこの寂しさに悩まされると、しば....
少年」より 著者:芥川竜之介
ご》数箇月の間、ちょうどひとかどの哲学者のように死と云う問題を考えつづけた。死は不可解そのものである。殺された蟻は死んだ蟻ではない。それにも関《かかわ》らず死ん....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
士、或はその相対性原理の歓迎されたことを考えるが好い。あれは神秘主義の祭である。不可解なる荘厳の儀式である。何の為に熱狂したのかは「改造」社主の山本氏さえ知らな....
追憶」より 著者:芥川竜之介
う志望などを持っていたわけではなかった。それをなぜそう言われたかはいまだに僕には不可解である。 四〇 勉強 僕は僕の中学時代はもちろん、復習というも....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
。しかしこれではニュートンの法則に従う遊星の運動とは全く合わないし、要するに全く不可解である。 スウェデンボルクの著書中に暗示されているところによると、彼の考....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
しまるのを見るがいい。……座敷へ持出さないことは言うまでもない。 色気の有無が不可解である。ある種のうつくしいものは、神が惜んで人に与えない説がある。なるほど....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
も、決して直接の行動者ではないのである。 思え! 永遠の魂の所有者たる諸子は、不可解、不合理なる教義の盲目的信仰と、ただ一片の懺悔の言葉とによりて、単調無味な....
蜜柑」より 著者:芥川竜之介
、そうして又この平凡な記事に埋っている夕刊と、――これが象徴でなくて何であろう。不可解な、下等な、退屈な人生の象徴でなくて何であろう。私は一切がくだらなくなって....
思い」より 著者:伊丹万作
加えられていないことをだれも怪しみもせず不当とも感じていないらしいのは、はなはだ不可解であるが、私はそれを憤るよりもまえに、むしろ、反対に従業員側の反省をうなが....
スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
まった。一節も歌えなかった。この執拗な道連れが不機嫌におし黙っているのは、なにか不可解で、おそろしかった。間もなく、ぞっとするようなことがわかった。丘の上にのぼ....
J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
作者が若いだけに途中興味が折々緩み勝ちになることはあるが、実際そこで投げ出される不可解さの魅力は素晴らしく、最後の解決を見ずに放棄するというようなことは、私の場....
三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
の潔癖のためであった。が、ドウしてYに対してのみ寛大であったろう。U氏は「沼南は不可解だ、神|乎愚人乎」とその後しばしば私に話したが、私にも実はマダ謎である。 ....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
入と言う事から見ても次の決戦戦争は正しく空中戦である。しかして体以上の事は我らに不可解であり、単位が個人で全国民参加と云えば国民の全力傾注に徹底する事となる。即....
本所両国」より 著者:芥川竜之介
ない訳には行かなかった。しかし僕等の大川へ水泳を習いに行ったということも後世には不可解に感じられるであろう。現に今でもO君などは「この川でも泳いだりしたものです....