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「不味い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不味いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
放浪」より 著者:織田作之助
や鮒の刺身を註文した。一つには、出雲屋の料理はまむしと鮒の刺身と、きも吸のほかは不味いが、さすが名代だけあって、このまむしのタレや鮒の刺身のすみそだけは他処《よ....
青春の逆説」より 著者:織田作之助
とパンが来ると、男は、 「やり給え」あっけにとられて豹一が珈琲を啜っていると、「不味いだろう? ここの女の顔もそうだがね」 そんな男の調子に圧倒されそうになっ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
章なさんな。 僭上だよ、無礼だよ、罰当り! お前が、男世帯をして、いや、菜が不味いとか、女中が焼豆腐ばかり食わせるとか愚痴った、と云って、可いか、この間持っ....
幽霊妻」より 著者:大阪圭吉
になって、どうしたことか急に悪いことになり、とうとう奥様は御離縁という、まことに不味いお話になってしまったんでございます。 ――いや全く、なんだって今更御離縁....
死の快走船」より 著者:大阪圭吉
わせていたが、やがて荒々しく室を出ていった。 居残った私達三人の間には、妙に気不味い沈黙がやって来た。が、まもなく夫人は、なにか意を決したように顔をあげると、....
渾沌未分」より 著者:岡本かの子
で火を焙して、お椀の汁を適度に温め、すぐ箸が執れるよう膳を並べて帰って行く。 「不味いものを食うくらいならいっそ、くたばった方がいい」 これは、美味のないとき....
河明り」より 著者:岡本かの子
こり現れた。 ある一軒の料亭で船乗りの宴会があった。少し酔って来るとみな料理が不味いと云い出した。苦笑した料理方が、次から出す料理には椀にも焼ものにも塩一つま....
貞操問答」より 著者:菊池寛
ると、家の中は常に雑然としている。新子も、十二時近くに起きたのでは、朝食がひどく不味い。味気ない気持で、食卓で朝刊をひろげると、ラジオの昼間演芸が、今日は新協の....
石塀幽霊」より 著者:大阪圭吉
は宏に実、年齢は二人とも二十八歳。――明かに双生児だ。 一瞬、人々の間には気|不味い沈黙が漲った。が、すぐに郵便屋が、堪えかねたように顫える声で叫んだ。 「こ....
斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
れば必ず一日遊んでいた。時としては朝早くから私の寝込を襲うて午飯も晩飯も下宿屋の不味いものを喰って夜る十一時十二時近くまで話し込んだ事もあった。 その時分即ち....
チベット旅行記」より 著者:河口慧海
の茶〔湯〕が出来るので、チベット人はその扱き上げ扱き下げる時の音の良否で旨いのと不味いのとの出来るのが分って居ると言ってるです。お話は元へ戻りますが、その娘がし....
明石鯛に優る朝鮮の鯛」より 著者:北大路魯山人
だからである。その美味さは今日まで忘れがたい。 元来、朝鮮は鳥でも魚でも一体に不味いところで、ことに京城にいた時代など、一度だって美味い魚を食ったことがなかっ....
鮎ははらわた」より 著者:北大路魯山人
寸ぐらいまでのものである。それ以上に大きく育ったものは、第一香気が失われ、大味で不味い。卵を持ち始めると、そのほうへ精分を取られるためか、香気を失うばかりでなく....
猪の味」より 著者:北大路魯山人
した。 食ってみると、ゴツイのなんの、肉があらっぽくコリコリしている。大味で、不味い。大失敗であった。ただし、脂肉はすこぶる美味かった。これに懲りて、それ以来....
味を知るもの鮮し」より 著者:北大路魯山人
から、無差別に断を下すわけにはいかない。年齢差という感覚の相違もあって、美味い、不味いは、一概に言ってのけるわけにはいかない。誰が美味いと言ったか、不味いと言っ....