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不均衡
「不均衡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不均衡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
、それから先は鉄芯に隔てられて、炎が十分反対側に届かなくなる。それで、蝋の燃焼が
不均衡になって、急角度の傾斜が現われて来るのだ。つまり、一方は芯だけになっても、....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
を知って、ジャーナリズムというものの観点を尊重しないということは、至極非哲学的な
不均衡だろう。 ジャーナリズムに対するこうした認識の欠乏は、殆んど凡て、夫が表....
「社会時評」より 著者:戸坂潤
理のあるものなので、それを反映する生徒のこの献金行動に、何か中学生の身体のような
不均衡なものが見えるのだ。 この間、御徒町の巡査派出所に突然小さな洋封筒を投げ....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
以て別な視角を用意している。例えば当面の責任者である馬場※一蔵相は、「国民負担の
不均衡を是正致し直接間接に国民生活の安定に資する」ことになると云っているが、国民....
「巴里祭」より 著者:岡本かの子
では新型十万台廉売の広告をしている。 食後の胃のけだるさがそうさせるのか新吉の
不均衡な感情は無暗に巴里の軽薄を憎み度くなってじれ/\して来た。その時ジャネット....
「幾度目かの最期」より 著者:久坂葉子
いいんだと思ったのです。自分の心、感情と、自分の行動との、ずれがひどくなる一方。
不均衡な不安定な、いやあな気持に自分をおいて、自分に対して、唾をはきかけ、自分に....
「坂田の場合」より 著者:豊島与志雄
述べよう。 右のような坂田とその財産とは、落着いた慎ましい中流生活にとっては、
不均衡なのは云うまでもない。そしてこの家庭生活は全く、母親の多少の貯蓄と坂田が月....
「蜘蛛」より 著者:豊島与志雄
ひどく鈍く、感情的知覚がひどく鋭い。この運動の方面の知覚と感情の方面の知覚とが、
不均衡になればなるほど、益々病的に不気味になってゆく。――蜘蛛を見てもそういう感....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
間の間たがいに理想化した後で、日曜日に会っていた。そして事実と彼らの幻との間には
不均衡があったにもかかわらず、彼らは少しもそれに気づかないようになった。 彼ら....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
それらの幼稚な閑問題に考慮を向けざるを得なかった。社会においては、それらの問題は
不均衡なほど大きな地位を占めていて、人は歩々にそれにぶっつかり、いずれか心を定め....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
民族の鋳型《いがた》の中には、あるいはきわめて美しいあるいはきわめて卑俗な無数の
不均衡な要素が、雑然と投げ込まれてるのが感ぜられた。彼女の美はとくに、その口と眼....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
と、彼らがなしもしくは許してる苛酷《かこく》な行為との間には、あまりに厚かましい
不均衡が存在していた。彼らのうちには二つの矛盾したものがあるようだった。すなわち....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
内心の闘《たたか》いに気づく者はあまりなかった。彼はその恥ずかしい秘密を、虚弱な
不均衡な身体の狂的な懊悩《おうのう》を、自分のうちに秘めていた。その懊悩を統御す....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
、そんなものでもあるらしい。 両々その処をうるというのは愚人の夢か諦めである。
不均衡、不安定、ガサツなのが人間関係の定めであろう。それに対処することによって、....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
みる値打があるように思われます。 これが平凡な人間となると、このアンバランス(
不均衡)はそれほど目立ちませんが、われわれ現代日本人が普通にもっているこの種の「....