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不始末
「不始末〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不始末の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「青木の出京」より 著者:菊池寛
的生活が、苦しくなれば苦しくなるにつれて、深められていった。 青木が、大学でも
不始末を演じて、除名されたという噂をきいたのは、それから間もないことであった。が....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
可哀そうなくらいに心配しています。あの夫婦はこの町内に八年も勤め通して、何ひとつ
不始末を働いたこともないのに、飛んだ弟がだしぬけに出て来て、まかり間違えばどんな....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
、もうちっと君、遊蕩を控えて貰いたいね。 昨日も君の母様が来て、つくづく若様の
不始末を愚痴るのが、何だか僕が取巻きでもして、わッと浮かせるようじゃないか。 ....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
も言わないで、軽蔑の様子が見えるようだ。口やかましいその母が、のぼせ返って、僕の
不始末をしゃべるのをそばで聴いていたのだろうと思われた。 僕が食膳に向うと、子....
「真田幸村」より 著者:菊池寛
、彼等が、胄を取り、大地にひざまずいたので、越前勢も鎮まった。 しかし、こんな
不始末が大御所に知れてはどんなことになるかも知れない、とあって、彼等は、その場を....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
だ淋疾に罹って居りましたから病院に入院させる積りでしたが、能く考えると自然自分の
不始末が分ると思い、病院へ行かず新宿へ連れそれから用達を致し、新宿より山の手線の....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
りて日本へ戻って来た甲斐はあるというものだ。 「……死にはいたしませぬが、少々|
不始末《ふしまつ》があるのでございます」 「
不始末とは」 「ああ、こんなところで....
「什器破壊業事件」より 著者:海野十三
ばらいをして、早々奥へひきあげていった。その代り、他の雇人隊が、口を揃えて光枝の
不始末を叱りつけ、があがあぶつぶつはいつ果つとも見えなかった。するとまた、奥の方....
「中庸」より 著者:坂口安吾
学校の怪火に先立って火事が三度もつづいたのは御記憶のことと思います。いずれも火の
不始末からの失火ですが、この村に三度も火事がつづくなどとは、曾てない異常な出来事....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
あったようです。深夜まで客をもてなすための火を絶やすことができなかった。その火の
不始末であったそうです。明方にちかく火事となって、大きな建物が夜の明けた時には灰....
「能面の秘密」より 著者:坂口安吾
フトンがしかれていたのである。死体は大川であった。密室の死体であるから煙草の火の
不始末か自殺かと一応結論がでかかっていたのであったが、たまたまオツネのアンマ宿の....
「奥州における御館藤原氏」より 著者:喜田貞吉
である。これ立派な反逆でなくてなんであろう。しかも彼はなお黄金の威力をもってその
不始末を誤魔化さんと試みることを怠らなかった。その罪を一に地頭季春に帰し、再三妻....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
れて許した結果が、こんなことになってしまった。彼女は怒らずにいられないのである。
不始末は――大きく、そして弁解の余地もない。物資と国威との、二つながらの大損失、....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
に持たせてやるわ、と苦くはなけれど効験ある薬の行きとどいた意見に、汗を出して身の
不始末を慚ずる正直者の清吉。 姉御、では御厄介になってすぐに仕事に突っ走ります....
「編輯雑感」より 著者:喜田貞吉
月二十日逝去せられたが為に、同君が本誌に専なるを得なかった事とによって、遂に右の
不始末を生ずるに至ったのである。これは特に同情ある読者諸君に向かって、寛宥を願い....