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不安
「不安〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不安の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
同時に又|襖《ふすま》一重向うに咳《せき》一つしずにいる母のお鳥に何か漠然とした
不安も感じた。
「じゃ一週間位はいてくれられるの?」
「はい、こちら様さえお差支....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
景に、いつもの感興を催すことが出来た。が、それがあるところまで続くとかえって妙に
不安になった。
仏参《ぶっさん》に行った家族のものは、まだ帰って来ない。うちの....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
責任感とが、重苦しく私の心の上にのしかかって来るような心もちもした。私はそれらの
不安な感じを払い除けたい一心から、わざと気軽らしい態度を装《よそお》って、うすぼ....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
から帰った時、万一三浦はもう物故《ぶっこ》していたのではないかと思って、我知らず
不安の眼を相手の顔に注《そそ》がずにはいられなかった。すると子爵は早くもその
不安....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
》に見えたのだった。無気味に、――と云うよりもむしろこの桜が、何故《なぜ》か彼を
不安にする、日本そのもののように見えたのだった。が、彼は刹那《せつな》の後《のち....
「彼」より 著者:芥川竜之介
をした。
「少くとも僕はそんな気がするね。」
僕はそれ以来Kに会うことに多少の
不安を感ずるようになった。
(大正十五年十一月十三日)....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
まで行けば好いんです。」
「弥勒寺橋?」
牧野はそろそろ訝《いぶか》るよりも、
不安になって来たらしかった。それがお蓮には何とも云えない、愉快な心もちを唆《そそ....
「金将軍」より 著者:芥川竜之介
青田の間《あいだ》を歩き出した。が、虎髯《とらひげ》の生えた鬼上官だけはまだ何か
不安そうに時々その童児をふり返っていた。……
三十年の後《のち》、その時の二人....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
不思議であった。
いや、不思議だったばかりではない。しまいには、それが何となく
不安になった。そこで彼はまた河内山の来かかったのを見た時に、今度はこっちから声を....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
なんです」この子供は長男に比《くら》べると、何かに病気をし勝ちだった。それだけに
不安も感じれば、反対にまた馴《な》れっこのように等閑《とうかん》にする気味もない....
「お時儀」より 著者:芥川竜之介
何か常識を超越した、莫迦莫迦《ばかばか》しいことをしはしないかと云う、妙に病的な
不安である。昔、ジァン・リシュパンは通りがかりのサラア・ベルナアルへ傍若無人《ぼ....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
らい曖昧《あいまい》だった。それが何故《なぜ》か唐突と、洋一の内に潜んでいたある
不安を呼び醒ました。兄は帰って来るだろうか?――そう思うと彼は電報に、もっと大仰....
「或恋愛小説」より 著者:芥川竜之介
の名前ですよ。――音楽家の達雄《たつお》と懇意《こんい》になった以後、次第にある
不安を感じ出すのです。達雄は妙子を愛している、――そう女主人公は直覚するのですね....
「寒さ」より 著者:芥川竜之介
保吉はその遠い焚火に何か同情に似たものを感じた。が、踏切りの見えることはやはり
不安には違いなかった。彼はそちらに背中《せなか》を向けると、もう一度人ごみの中へ....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
。浴室の窓や戸じまりを厳重にしたのもそのためである。しかし彼はそれでもなお絶えず
不安を感じていた。また
不安を感じたのも無理ではなかったのに違いない。なぜと言えば....