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「不寝番〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不寝番の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
幽霊の自筆」より 著者:田中貢太郎
大事に歩かんといかんと思って、ゆっさ、ゆっさと廊下を歩いて、やっと出口まで来た、不寝番《ねずのばん》の妓夫《ぎゆう》がいて、下駄を出し、門口の戸を細目に開けて呉....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
かん。あいつら二人は、僕が今夜のうちにきっと片付けてみせます。熱がさがったとき、不寝番になるはずですからね」 と言いながら、ヤンはじりじりマヌエラにせまってく....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
る人員がきめられる。歩哨がきめられる。当番卒がきめられる。炊事当番がきめられる。不寝番がきめられる。 「おやッ、俺の上衣を知らねえか?」 柿本の組で作業してい....
梅津只円翁伝」より 著者:杉山萠円
の黒田藩軍艦|環瀛丸に乗り、十三日東京着。隔日の御番(当番)出仕で、夜半二時迄の不寝番をつとめた。毎月お扶持方として金十五円二歩を賜わった。 この時翁の師匠、....
小浅間」より 著者:寺田寅彦
しても星が見えない。しかしいつなんどき晴れるかもしれないから、だれか一人は交代の不寝番で空を見張っていなければならない。燈火が暗いから読書や書きものもぐあいがよ....
鳴雪自叙伝」より 著者:内藤鳴雪
。そうして宿番は宵のうちこそ世子も起きられているがその後寝床へ入られても、小姓は不寝番というをせねばならぬ。そこで宿番を宵前、宵後、暁前、暁後と四ツに別けて、代....
探偵夜話」より 著者:岡本綺堂
かと訊いてみると、今から小一時間も前に、この座敷でけたたましい叫び声がきこえた。不寝番がおどろいて駈け付けると、男は蒲団から転げ出して死んでいた。女は魂のぬけた....
怪奇人造島」より 著者:寺島柾史
みんな正体もなく眠っている。外部からの襲撃をうける心配のない人造島では、歩哨も、不寝番も必要がなく、ただ、動力所だけに、機関士が交替に起きているに過ぎない。 ....
わが血を追ふ人々」より 著者:坂口安吾
ら海岸まで一足づゝ追ひつめて行つた。夜になると各自立止つた地点を動かず篝をたいて不寝番を立て、三十五日を費して、遂に海まで突きぬけた。海上には数千の小舟を敷きつ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
当日、特に変った御様子はお見かけしません。御飯を召上りながら、この寒いのに一晩の不寝番は利口なことじゃないが仕方がない。カゼをひかないように、せいぜい厚着して行....
戦死者の凱旋」より 著者:田中貢太郎
懐しの原隊へ帰って来るのだと云う事がわかった。しかし、その靴音の聞えるのは控兵と不寝番の者ばかりで、同じ衛兵でも衛門や火薬庫を守っている者には全然聞えなかった。....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
ままピタリと止まり、止まった場所でカガリ火をたいて夜を明す。夜間に人員交替して、不寝番をたて、夜があけると、またジリジリと一人一歩の列をくずさず前進、夜にピタリ....
真珠塔の秘密」より 著者:甲賀三郎
取り敢えず守衛の所へ行った。貴重品ばかりの所であるから、夜は特別に二人居て交代で不寝番をする事になって居たのである。守衛は始めは中々云わなかったそうであるが、激....
江戸の化物」より 著者:岡本綺堂
一疋も出なかったということです。で、その夜は十畳ばかりの屋敷に十四、五人の武士が不寝番をすることになりました。 ところが、夜もだんだん更けゆくにつれ、行灯の火....
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
るものは居りまする」 客「分るものが有るなら其の分るものをよこせ」 若「丑刻過は不寝番の係で新助の係りではございませんから私の係りになります」 客「丑刻過は不寝....