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不平
「不平〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不平の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「文放古」より 著者:芥川竜之介
ん》彼女を軽蔑した。しかしまた何か同情に似た心もちを感じたのも事実である。彼女は
不平を重ねながら、しまいにはやはり電燈会社の技師か何かと結婚するであろう。結婚し....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
ました。すると大殿様はいつものように鷹揚《おうよう》に御笑いになりながら、「そう
不平は云わぬものじゃ。やがてはその譜も手にはいる時節があるであろう。」と、やさし....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
那にさ。北京《ペキン》にもしばらく滞在したことがある。……」
僕はこう云う彼の
不平をひやかさない訣《わけ》には行《ゆ》かなかった。
「支那もだんだん亜米利加《....
「葱」より 著者:芥川竜之介
収入が非常に違う。お松さんは勿論、この収入の差に平《たいら》かなるを得ない。その
不平が高《こう》じた所から、邪推もこの頃廻すようになっている。
ある夏の午後、....
「竜」より 著者:芥川竜之介
と申しますと、恵印は日頃から奈良の僧俗が何かにつけて自分の鼻を笑いものにするのが
不平なので、今度こそこの鼻蔵人がうまく一番かついだ挙句《あげく》、さんざん笑い返....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
その田舎者《いなかもの》が何年いても、一向《いっこう》仙術を教えてくれぬなぞと、
不平でも云い出したら、どうする気だ?」と忌々《いまいま》しそうに小言《こごと》を....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
飼っている牛馬をも傷《きずつ》けたり虐《いじ》めたりするらしかった。彼はそう云う
不平を鳴す間も、時々相手を睨《にら》みつけて、
「逃げるなよ。今に返報をしてやる....
「少年」より 著者:芥川竜之介
。」
つうやはにやにや笑いながら、「いいえ」と云う代りに首を振った。保吉は勿論
不平だった。しかし彼女は全知である。云わば Delphi の巫女《みこ》である。....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
好人物は何よりも先に天上の神に似たものである。第一に歓喜を語るのに好い。第二に
不平を訴えるのに好い。第三に――いてもいないでも好い。
罪
「その罪を....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
目の前でも靴を脱《ぬ》がずにいられるからである。常子は畳のなくなったことを大いに
不平に思っているらしい。が、靴足袋《くつたび》をはいているにもせよ、この脚で日本....
「或る女」より 著者:有島武郎
を得た口をきいた。
「古藤さんが時々来てくださるの?」
と聞いてみると、貞世は
不平らしく、
「いゝえ、ちっとも」
「ではお手紙は?」
「来てよ、ねえ愛ねえさま....
「田端日記」より 著者:芥川竜之介
顔は左の方へゆがんでいる。少くとも今日一日、こんな顔をしているのかと思ったら、甚
不平な気がして来た。 ところが飯を食って、本郷の歯医者へ行ったら、いきなり奥歯....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
て大騒ぎをせねばならぬような、あんな面倒臭い現世の生活を送りながら、よくも格別の
不平も言わずに暮らせたものである……。私はだんだんそんな風に感ずるようになったの....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
、贅沢に飽きたのじゃありません。人間というものに愛想がつきたのです」 杜子春は
不平そうな顔をしながら、突慳貪にこう言いました。 「それは面白いな。どうして又人....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
に、子供が一人|殖えたので、貧乏は益々貧乏になりました。しかし太郎右衛門は一度も
不平を言ったことがありません。田を耕している時でも、山で炭を焼いている時でも、太....