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不幸
「不幸〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不幸の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十本の針」より 著者:芥川竜之介
息づいている。わたしたちのうちにいるわたしたちの祖先に従わなければ、わたしたちは
不幸に陥《おちい》らなければならぬ。「過去の業《ごう》」という言葉はこういう
不幸....
「カルメン」より 著者:芥川竜之介
った。あの人と云うのはイイナの側に誰かと話していた露西亜《ロシア》人である。僕は
不幸にも「あの人」の顔だの服装だのを覚えていない。わずかに僕が覚えているのは胸に....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
合わない」という語《ことば》に力を入れた後ろには、こういう軽蔑が潜んでいた。が、
不幸にして近江屋平吉には、全然そういう意味が通じなかったものらしい。
「ははあ、....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
の屋根の間をくぐって、ようやく危い一命を拾ったのでございます。幸か、それともまた
不幸か、私には何にもわかりませんでした。ただその夜、まだ燃えている火事の光を暗い....
「一夕話」より 著者:芥川竜之介
も小えんのために、浪花節語りと出来た事を祝福しようとは思っていない。幸福になるか
不幸になるか、それはどちらともいわれないだろう。――が、もし
不幸になるとすれば、....
「河童」より 著者:芥川竜之介
《つめ》の痕《あと》を残していました。)
×
我々は人間よりも
不幸である。人間は河童《かっぱ》ほど進化していない。(僕はこの章を読んだ時思わず....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
名を呼んで見たり、あるいはまた日本騎兵の悪口《あっこう》を云って見たりした。が、
不幸にしてそれが一度彼の口を出ると、何の意味も持っていない、嗄《しゃが》れた唸《....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
字さんは翌年《よくとし》の夏にも半之丞と遊ぶことを考えていたそうです。が、それは
不幸にもすっかり当《あて》が外《はず》れてしまいました。と言うのはその秋の彼岸《....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
しんだん》に従えば、半三郎の死因は脳溢血《のういっけつ》である。が、半三郎自身は
不幸にも脳溢血とは思っていない。第一死んだとも思っていない。ただいつか見たことの....
「狂女」より 著者:秋田滋
、僕のうちの隣りに、まあ狂女と云うのだろう、妙な女がひとり住んでいた。たび重なる
不幸で頭が変になってしまったんだね。話はすこし昔にかえるが、この女は二十五の年紀....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
で、幸福であるために必要であるものはすべて具っていたのである。何が氏をしてかかる
不幸な決意をなすに到らしめたのか、原因は全く不明である。 何不足なく幸福に日を....
「初雪」より 著者:秋田滋
* * 年が明けて、まだ幾日もたたない頃のことだった。彼女は大きな
不幸に見舞われた。乗物の事故のために、両親が不慮の死を遂げたのである。葬儀に列席....
「寡婦」より 著者:秋田滋
、とてもお話しする気になどなれないほど、悲しい、悲しいことなんですの。私の一生の
不幸もみんなこれがもとなんです。私がまだごく若かった頃のことで、そのことを想うと....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
きく、よじれて地面につくほど垂れさがり、それからまた空中にのびあがっている。例の
不幸なアンドレ少佐がそのすぐそばで捕虜になったので、この木は彼の悲劇的な物語と因....
「親ごころ」より 著者:秋田滋
稼業にしている老人は、可哀そうに、死んでしまった。そこで小教区の司祭は、車大工の
不幸な身の上を知っていたので、この男をその後釜に据えた。 そこで彼は、朝になる....