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「不幸中の幸い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不幸中の幸いの前後の文節・文章を表示しています。該当する7件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
海底大陸」より 著者:海野十三
ゅうひゅうと鳴りだし、海はしだいに白く波頭をたてて荒れはじめた。三千夫少年には、不幸中の幸いだった。もう一刻、すくわれるのがおそかったら、かれの生命はどうなって....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
通の身にまで及んで行った。 この西南戦争が全国統一の機運を導いたことは、せめて不幸中の幸いであった。人民の疾苦、下のものの難渋迷惑はもとより言うまでもない。明....
石狩川」より 著者:本庄陸男
人家のあるこの小さな港は、救いの神でもあった。陸地によった港近くの坐礁は、まず、不幸中の幸いと言わねばなるまいと思った。名だたる荒海にようやく漕ぎだした瞬間であ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
一つに、立ち塞がったいたずら者が、少しも危険性を帯びていなかったということだけが不幸中の幸いでしょう。 駕籠はやや暫くというもの、ぽつねんと置き据えられたまま....
雪の宿り」より 著者:神西清
合、延喜式、日本紀、文徳実録、寛平御記各一合、小右記六合などの恙なかったことは、不幸中の幸いとも申せるでございましょう。それに致しましても此度の兵乱にて、洛中洛....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
これこれと父が物語る。塗師重兄弟も嘆息しながら、 「まずお互い様に生命に別条なく不幸中の幸い……しかし、我々は逃げ損くなって実に酷い目に逢いやした。逃げようとい....
私本太平記」より 著者:吉川英治
のままにおまかせ申しておけばよい。……さればさして、驚き騒ぐにはおよばん。むしろ不幸中の幸いと思うがいい」 これは、ひとつの解釈だった。しかし、たれにも思いい....