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「不得心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不得心の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
と差し俯伏《うつむ》いて思案にくれて居ります。伯父の晋齋はお若が挨拶をしないのは不得心であるのか知らんと思われる処から、 晋「お若、何うだね、得心が行かぬ様子....
玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
じゃ」 「こりゃじい様のいう通り、なにかの見違えではあるまいかのう」と、千枝松は不得心らしい顔をして側から喙《くち》をいれた。 左右に敵を引き受けて、婆はいよ....
鳥辺山心中」より 著者:岡本綺堂
という風流であろう。あすになればきっと帰る」 「帰るであろうか」と、源三郎はまだ不得心《ふとくしん》らしい顔をしていた。 「おお、帰るようにおれが言ってやる」 ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
や、それでも人違いだ。女は若狭屋のお糸じゃあねえ」 「そうでしょうか」と、松吉は不得心らしい顔をしていた。 「といって、まさかに狐でもあるめえ。それにしても、巳....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
せん救うべき道はないから、どうでも自首して出ろと厳重に云い渡した。もし飽くまでも不得心ならば、帝釈《たいしゃく》が阿修羅《あしゅら》の眷族《けんぞく》をほろぼし....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
が》るように云った。「手金を戻しただけで、先方が素直に納得してくれればよし、万一不得心のようであったならば、手金の二倍増し、三倍増しでも……。掛け合いの模様によ....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
くなったのかも知れません」 「そう云ってしまえばそれまでだが……」と、半七はまだ不得心らしく考えていた。「おい、松。無駄骨かも知れねえが、まず取りあえず駿河屋を....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
うのも珍らしくない。それで一応は離縁の理窟が立っているようであったが、半七はまだ不得心であった。 「どうもお前さん達じゃあ判らねえ。そのおそよという娘をここへ呼....
名君忠之」より 著者:夢野久作
無礼じゃ。又、塙代奴が余の許しも受けいで、無作と他藩の恩賞を受けるとは不埒千万。不得心この上もない奴じゃ。棄ておいては当藩の示しにならぬ。家禄を召上げて追放せい....
雪女」より 著者:岡本綺堂
より証拠だ。ねえ、そうじゃないか。」 「そうでありましょうか。」と、李太郎はまだ不得心らしい眼色を見せていた。 「お前からここの主人によく話してやれよ。それは渾....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
た。 で、早速、先日の礼をいい、植木さんから貰って来た鶏を見せますと、何んだか不得心らしい顔をしている。実はこれこれと例の受け売りをやって見ましても、後藤氏は....
五色蟹」より 著者:岡本綺堂
君は傍から啄を出した。「結局は夢まぼろしという訳だね。おい、田宮君。まだそれでも不得心ならば今夜も試しに行って見たまえ。」 「いや、もう御免だ。」 田宮が身を....
小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
も存じられまするが。」 「なぜ成らぬ。」と、師冬はその眼に稲妻を走らせた。「父上不得心か、但しは姫か。」 「大殿の思召しは存じませぬが……。」 「なりゃ、姫か。....