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不得意
「不得意〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不得意の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「父」より 著者:芥川竜之介
いった男である。これと云って、得意な学科もなかったが、その代りに、これと云って、
不得意なものもない。その癖、ちょいとした事には、器用な性質《たち》で、流行唄《は....
「花火」より 著者:太宰治
いた。その杉浦透馬に、勝治は見込まれてしまったというわけである。 生来、理論の
不得意な勝治は、ただ、閉口するばかりである。けれども勝治は、杉浦透馬を拒否する事....
「道草」より 著者:夏目漱石
い憐《あわ》れな自分の姿を想い見た。その憐れな自分の顔を熱心に見詰めたり、または
不得意な自分のいう事を真面目《まじめ》に筆記したりする青年に対して済まない気がし....
「中味と形式」より 著者:夏目漱石
などが習いますが、文法を習ったからといってそれがため会話が上手にはなれず、文法は
不得意でも話は達者にもやれる通弁などいうものもあって、その方が実際役に立つと同じ....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
うことを心強く感じさせたからである。以上の三種が自分の作として、得意の物であるか
不得意の物であるかを考えている暇はない。わたしは焼け跡の灰の中から自分の財を拾い....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
まり、臨検家が幻想家となる時機にですな」
「いや、元来|儂は、そういう哲学問答が
不得意でしてな」と警戒気味に、博士は眼を瞬いて法水を見た。そして、「しかし、貴方....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
わざわざ別な云い方をする必要は何処にもない)、修養を忘れ、才能すらも忘れて、最も
不得意な題材を掴んで制作する事なのか。……」 まだまだあるが略すとして、こう云....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
い病には漢文を作りたがってな。漢文さえ作らなきゃあ馬琴様もいい男だが……人は得て
不得意なものほど自慢をしたがるやつで……」 といって紙に書いて見せました。 道....
「霊感」より 著者:豊島与志雄
家とはいっても、凝った普請についての技術者で、大きな設計図を弄りまわすことなどは
不得意でした。ところが、達吉を贔屓にしてる女将は、なにかと彼に相談しかけました。....
「言葉の不思議」より 著者:寺田寅彦
の一説に「すき」は steak だろうというのがあった。日本人は子音の重なるのは
不得意だから st がsになることは可能である。漆喰が stucco と兄弟だと....
「ヨーロッパ的性格 ニッポン的性格」より 著者:坂口安吾
うな根本的にリアルな姿を、取得しておらないのであります。そういうことが、まことに
不得意なのであります。 でありますから、実例をとって申しますと、織田信長が本能....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
短所をよくわきまえて適当の仕事を与えなければ、彼も我も甚だ不愉快なばかりでなく、
不得意である。甲は外交的役割に最も適し、乙はまた店番として商品整理や客扱いに成功....
「十番雑記」より 著者:岡本綺堂
うことを心強く感じさせたからである。以上の三種が自分の作として、得意の物であるか
不得意の物であるかを考えている暇はない。わたしは焼跡の灰の中から自分の財を拾い出....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
が、緑雨の傑作はやはり『油地獄』と『雨蛙』であろう。この二つはいずれも緑雨自身の
不得意とする作で、人の褒めるのが癪に触るといって喰って掛ったものであるが、緑雨が....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
て見るのが常癖であった。如何なる得意のものでも褒められると苦い顔をして、如何なる
不得意のものでも貶されると一生懸命になって弁明した。仮にもしその欲する如くに政治....