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不徳
「不徳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不徳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「死後」より 著者:芥川竜之介
の死んだことを感じた。けれども門をはいることは勿論、玄関から奥へはいることも全然
不徳義とは感じなかった。
妻は茶の間の縁側《えんがわ》に坐り、竹の皮の鎧《よろ....
「鯉魚」より 著者:岡本かの子
飯を施《ほどこ》した鯉魚の功徳《くどく》の報いだ。昭公に過ちがあったのは、わしの
不徳の致《いた》すところだ。まあ、この辺で事件は落着にしてもらいたい」 昭青年....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
いから、乞う、両位の令妹のために、その淑徳を疑うことなかれ。特に君が母堂の馬丁と
不徳の事のごときは、あり触れた野人の風説に過ぎなかった。――事実でないのを確めた....
「映画界手近の問題」より 著者:伊丹万作
う事実はあまりに明白過ぎていまさら議論の余地はない。 したがって引抜きがもしも
不徳義であるならば、その罪の少なくとも大部分はアクティヴな立場にある会社側が負う....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
った。 「省作がいったいよくない。一方の女を思い切らないで、人の婿になるちは大の
不徳義だ、不都合きわまった話だ。婿をとる側になってみたまえ、こんなことされて堪る....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
きゅうきゅう追いつめながら、一方には会社や資本家にはどっと新円を下ろさせる銀行の
不徳と政府の反民主政策は呆れる外ない。 どこへ行くか、新日本。そして日本人大衆....
「生の拡充」より 著者:大杉栄
奴隷の腐敗と堕落とは、ひいて主人の上にも及ぼさずにはやまない。また奴隷には奴隷の
不徳があれば、主人には主人の
不徳がある。奴隷に卑屈があれば、主人には傲慢がある。....
「成長が生んだ私の恋愛破綻」より 著者:伊藤野枝
た。 例えば、ある注意すべき事件が持ち上がりました。それは現在の社会の欠陥なり
不徳なりを充分露骨に現わしているとします。私はそれに対してすぐに心からの憤りを感....
「作画について」より 著者:上村松園
が、女の私の名声をねたむ人があって、ある日看守のすきをねらって、何者とも知れない
不徳漢が、亀遊の顔を鉛筆でめちゃめちゃに汚してしまったのです。 そのことを発見....
「偽刑事」より 著者:川田功
に対して強い真実の愛情が湧き起って来た。 美の前に何の罪があろう。愛の前に何の
不徳があろう。只在るものは罪悪や
不徳を超越した美と愛とだ。彼は只、誰もが彼女の遣....
「妖怪学」より 著者:井上円了
なし。永代橋あれども短命橋なし。学校にも、明倫学校、積善学校あれども、不善学校、
不徳学校などはなきなり。されば、名称に関することもまた、多くこの縁起の類に過ぎず....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
。そのほかにも俄か雨のときには番傘を貸していたが、これは久しく借りて返さぬという
不徳義の連中が多いためか、やがて廃止になってしまった。 今日、各劇場の前を通る....
「飛騨の怪談」より 著者:岡本綺堂
云った。 「あれは此の家のお葉という女ですが……。」と、云いながら巡査も考えた。
不徳要領の為に一旦は釈放したものの、お葉は※一件に就て何等かの関係ありげにも見ゆ....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
敗しても、まさか寺の金を取って自分の女房を養い、自分の女房の親を養うというような
不徳義な者はあるまいと思いました。その夜は其寺へ泊りまして翌日また湖水の辺に出て....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
曰く、日本国の野蛮推して知るべし。僧侶の不道徳かくのごとし。すなわち、僧侶の不道
不徳は日本人一般の野蛮を代表するなり。ゆえに、日本国をして欧米同等の文明国となさ....