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不快
「不快〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不快の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
舅《しゅうと》の肺結核に感染するのを怖《おそ》れる為でもあり、又一つには息の匂を
不快に思う為でもあった。玄鶴は彼の顔を見る度にいつも唯「ああ」とか「お帰り」とか....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
。」
馬琴の経験によると、自分の読本《よみほん》の悪評を聞くということは、単に
不快であるばかりでなく、危険もまた少なくない。というのは、その悪評を是認するため....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
ちがした。が、夜中《やちゅう》書見の清興《せいきょう》を破られた事は、依然として
不快に違いなかった。
「すると――何か私の講演に質疑でもあると仰有《おっしゃ》る....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
方を窺《うかが》っていたのと、ぴったり視線が出会いました。私はその浅黒い顔に何か
不快な特色を見てとったので、咄嗟《とっさ》に眼を反《そ》らせながらまた眼鏡《オペ....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
聳《そび》えている。して見ればここに住んでいるのは、たとい愉快ではないにしても、
不快にはならない筈ではないか? が、自分はどうかすると、憂鬱の底に沈む事がある。....
「河童」より 著者:芥川竜之介
まもも》の鉢植《はちう》えを後ろに苦い顔をしていたペップの言葉です。僕はもちろん
不快を感じました。しかし主人公のゲエルはもちろん、ペップやチャックもそんなことは....
「彼」より 著者:芥川竜之介
ないよ。ただ君の気もちとしてならば、それはまた別問題だけれども。」
彼は明かに
不快《ふかい》らしかった。が、僕の言葉には何も反駁《はんばく》を加えなかった。そ....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
ん一人ではなかった。牧野《まきの》も犬が畳の上に、寝そべっているのを見た時には、
不快そうに太い眉《まゆ》をひそめた。
「何だい、こいつは?――畜生《ちくしょう》....
「煙管」より 著者:芥川竜之介
四
では、煙管《きせる》をまき上げられた斉広《なりひろ》の方は、
不快に感じたかと云うと、必しもそうではない。それは、彼が、下城《げじょう》をする....
「校正後に」より 著者:芥川竜之介
た。働いた範囲においても時間が足りないので、無理をしたのが多い。これは今考えても
不快である。自分の良心の上からばかりでなく、ほかの雑誌の編輯者《へんしゅうしゃ》....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
左衛門と共に、笑ってすませる筈のこの事実が、その時の満足しきった彼の心には、ふと
不快な種を蒔《ま》く事になった。これは恐らく、彼の満足が、暗々の裡《うち》に論理....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
云った。
洋一はただ頷《うなず》いて見せた。その間も母の熱臭いのがやはり彼には
不快だった。しかしお律はそう云ったぎり、何とも後《あと》を続けなかった。洋一はそ....
「江口渙氏の事」より 著者:芥川竜之介
ぞも、一本気な所はあるが、その上にまだ殆病的な執拗さが潜んでいる。それは江口自身
不快でなければ、近代的と云う語で形容しても好い。兎に角憎む時も愛する時も、何か酷....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
の橋上を徘徊さるるぞ」と問われたり。予もこの頃は巡査に訊問さるるは何にかかわらず
不快に感ずる頃なれば、「イヤ所用なければこそこの橋上を徘徊致すなれ」と、天晴よき....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
デーを眼下に見下しておったらしい。 さて上に述べた手紙に対して、アボットは何が
不快であるかと訊いてよこした。ファラデーはこの手紙を受取って、ローマで十二枚にわ....