不念[語句情報] » 不念

「不念〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不念の前後の文節・文章を表示しています。該当する13件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
ると確かに言い置いて行ったのを、誰にも言わずにうっかりしていたのはわたしが重々の不念《ぶねん》であったと、彼女は自分ひとりで罪をかぶってしまった。 それ見たこ....
吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
」 「知らないのか」 「ききもらしましたが、どうかお教えを!」 「ききもらした!不念な。どこで何をしていた?」 「ちょっと忙《せわ》しくて」 「忙しいのは、お互....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
るように溜息をついた。 孫十郎もいよいよ当惑した。理窟をいえば、勿論この若侍の不念《ぶねん》に相違ない。重役たちの云う通り、それほど大切な詮議の宝を見つけたな....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
芝の方の御屋敷の足軽を頼ってまいったのだそうでございます。と申しますと、まことに不念のようで恐れ入りますが、なにぶん手前どもでも困っている矢先でもあり、徳さんが....
乱世」より 著者:菊池寛
た。それを一瞥したときに、彼は明らかに狼狽した。 「やあ! これはこれは、いかい不念じゃ。許されい、許されい」 詫びようとする隊長を押えて、市左衛門は勝ち誇っ....
日は輝けり」より 著者:宮本百合子
出した。庸之助のいた時分は、かなり彼を信用していたはずの者まで、今までそのことに不念だったのを、取り返しのならぬことをしたような表情を浮べて、昼の休みを潰《つぶ....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
にかけましょうから。=後段備考参照= ――御覧の通りで御座います……これは私の不念と申しましょうか、何と申しましょうか……ああ……何か事が起らねばよいがと、胸....
斬られたさに」より 著者:夢野久作
な話を聞くものじゃ」 「ハッ。私も実はこの不思議が解けずにおりまする。万一、私の不念ではなかったかと心得まして、まだ誰にも明かさずにおりまするが……」 「おおさ....
白くれない」より 著者:夢野久作
て暫時、途方に暮れ居たりしが、やがて嫁女奈美殿の前に両手を支へつ。此の粗忽はわが不念より起りし事なり。平に許させ給ふべしと、詫言するとひとしく立上り、奥の間にて....
南国太平記」より 著者:直木三十五
人とも、奇怪な死方をなされた上は、一応、軍勝図を秘伝致す牧へ御取調べがあっても、不念《ぶねん》とは申せますまい。もし、その人形が、余人の手になったものなら、不肖....
活人形」より 著者:泉鏡花
らざるか、遠くもあらぬ東京に住む身にて、かくまでの大事を知らず、今まで棄置きたる不念さよ。もし下枝等の死したらんには、悔いても及ばぬ一世の不覚、我三日月の名折な....
本朝変態葬礼史」より 著者:中山太郎
を以て拭ひ乾し腐らざるやうにす。若《も》し腐ることあるときは、その臓腑を去ること不念なりとて、その者より夷俗の償ひを取ることなり。此の死者の臓腑を拭きとる者は平....
大岡越前」より 著者:吉川英治
護持院の七堂|伽藍は、彼女が黄金にあかせて、寄進したものである。その普請中、不念入というかどで、最初の奉行、棟梁、小普請方など、幾人もの者が、遠島に罪せられ....