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不愉快
「不愉快〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不愉快の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鼻」より 著者:芥川竜之介
がわからない訳ではない。それは分っても、自分の鼻をまるで物品のように取扱うのが、
不愉快に思われたからである。内供は、信用しない医者の手術をうける患者のような顔を....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
格別大したことではない。彼はただズボンのポケットの底に六十何銭しか金のないことを
不愉快に思っていたのである。
当時の堀川保吉はいつも金に困っていた。英吉利《イ....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
幕《うちまく》の不品行を素《す》っぱぬいて聞かせましたが、中でも私の心の上に一番
不愉快な影を落したのは、近来はどこかの若い御新造《ごしんぞう》が楢山夫人の腰巾着....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
呪文《じゅもん》なぞを唱えるのはおやめなさい。」
オルガンティノはやむを得ず、
不愉快そうに腕組をしたまま、老人と一しょに歩き出した。
「あなたは天主教《てんし....
「彼」より 著者:芥川竜之介
帰りでやって来たよ。生体解剖《せいたいかいぼう》の話や何かして行ったっけ。」
「
不愉快なやつだね。」
「どうして?」
「どうしてってこともないけれども。……」
....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
た。彼はただ、春風《しゅんぷう》の底に一脈の氷冷《ひれい》の気を感じて、何となく
不愉快になっただけである。
しかし、内蔵助《くらのすけ》の笑わなかったのは、格....
「路上」より 著者:芥川竜之介
―自家の卑猥《ひわい》な興味の上へ芸術的と云う金箔《きんぱく》を塗りつけるのが、
不愉快だったのもまた事実だった。だから近藤が得意になって、さも芸術の極致が、こう....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
》の暮しを考える屈託《くったく》と、そう云う屈託を抑圧しようとする、あてどのない
不愉快な感情とに心を奪われて、いじらしい鼠の姿も眼にはいらない事が多い。
その....
「或る女」より 著者:有島武郎
た葉子の胸から背にかけたあたりは汗がじんわりにじみ出たらしく、むしむしするような
不愉快を感ずるので、狭苦しい寝台《バース》を取りつけたり、洗面台を据えたりしてあ....
「或る女」より 著者:有島武郎
やがて古藤が突然|箸《はし》をおいた。
「僕が悪いためにせっかくの食卓をたいへん
不愉快にしたようです。すみませんでした。僕はこれで失礼します」
葉子はあわてて....
「星座」より 著者:有島武郎
とを西山づれに魁《さきが》けされるのは、清逸の気性として出抜かれたというかすかな
不愉快を感じさせられた。
「もっとも西山君のことだから、言いたい放題をいっている....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
く部屋じゅうにこもったけれども、それは荒い大海を生々しく連想させるだけで、なんの
不愉快な感じも起こさせなかった。人の感覚というものも気ままなものだ。 楽しい会....
「親子」より 著者:有島武郎
ものが気まずくなったほど気まずいものはない。彼はほとんど悒鬱といってもいいような
不愉快な気持ちに沈んで行った。おまけに二人をまぎらすような物音も色彩もそこには見....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
か。 偽善者よ、お前は全くひどい目に遇わされた。それは当然な事だ。お前は本当に
不愉快な人間だから。お前はいつでも然り然り否々といい切ることが出来ないから。毎時....
「東京に生れて」より 著者:芥川竜之介
車、カフエー、並木、自働車、何れもあまり感心するものはない。 しかし、さういふ
不愉快な町中でも、一寸した硝子窓の光とか、建物の軒蛇腹の影とかに、美しい感じを見....