不所存[語句情報] »
不所存
「不所存〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不所存の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「根岸お行の松 因果塚の由来」より 著者:三遊亭円朝
は伊之助を奥へ引張りあげました。段々様子をきいて見ると、お若が狸を伊之助と心得て
不所存をいたしたことも知らぬようでげす、初めは私に気の毒だと思ってシラを切ってい....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
たたみの音がつづいて、お犬公方綱吉公のけわしい顔が現れました。 同時です。 「
不所存者めがッ。どの顔さげて参った！」 はぜるような雷声が、主水之介の頭上へ落....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
見眺めているとき、実に不意でした。 「貴様、まだまごまごしておるかッ。神域を穢す
不所存者めがッ。行けッ、行けッ。行けと申すに早く行かぬかッ」 けたたましく怒号....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
ません。 思わないから、えらい元気で、剣輪のなかの左膳をどなりつけました。 「
不所存者めがッ！ 石川様のお壺行列へ斬りこむとは、いのち知らずの大たわけめ、そこ....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
に渾身《こんしん》、この真冬に、熱汗に濡れただようばかりだ。
――河原者を慕う
不所存な女子を、拙者がわが物にしたとて、何が不都合であろう！ どうせ、汚れてしま....
「怪談牡丹灯籠」より 著者:三遊亭円朝
落し、命を取った暁に、うま／＼此の飯島の家を乗取らんとの悪だくみ、恩を仇なる汝が
不所存、云おう様なき人非人、此の場に於て槍玉に揚げてくれるから左様心得ろ」 と....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
て欲しい、と羽織袴、フロックで押寄せたろう。 いや、叔父が怒るまいか。日本一の
不所存もの、恩地源三郎が申渡す、向後｜一切、謡を口にすること罷成らん。立処に勘当....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
結論が聞かれないので、がっかりしたが、やっと少しばかり膝をにじらせて、 「左様な
不所存者の非業の死体をこのところに引取り、御座元《ござもと》間近を汚《けが》すこ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
のものではないが、それは致し方ない、と駒井が、そのことを思い及ぼすと、どうもあの
不所存者のことが気になる。 「あのマドロスの奴がいれば、こういう時には全く役に立....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
こと栄三郎どのを私かたへ――」
「いや。百万言をついやしても同じこと。彼のごとき
不所存者を差しあげるなど思いもよりませぬ」
「これほどその
不所存者が所望じゃと申....
「仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
った。いずれ頼母があの夜の中に、田安中納言様へ自分のことを、お八重を奪って逃げた
不所存者、お館を騒がした狼藉者として、讒誣中傷したことであろう。そんなところへう....
「剣侠」より 著者:国枝史郎
かりで、そいつをご馳走にあずかろうと、心掛けたばかりでございますよ。が、それさえ
不所存至極！ そこで平にあやまります。何卒ご用捨下さりませ……さてこれで以前のこ....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
た。
「不届者っ――こ、これへ参れっ」
甲高い、怒り声であった。
「おのれら、
不所存な。何んと思いおる。たわけがっ」
二人は、平伏しているより外に、仕方がな....
「牢獄の半日」より 著者:葉山嘉樹
んだ。俺達の仲間はひどい貧乏なんだ。だから、目腐金へでも飛びつく者ができるんだ。
不所存者がな。 お前は、俺達を、一様に搾取するだけで倦《あ》き足りないで、そう....
「食道楽」より 著者:村井弦斎
じ》っている学生や部屋住の身分で畳付の駒下駄を足の先へ突《つっ》かけて歩くような
不所存者もあります。それが晴天には歩いていても雨が降って来ると下駄の惜しさに車へ....