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不揃い
「不揃い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不揃いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「十八時の音楽浴」より 著者:海野十三
しの音楽浴を計画したいと思います。そうすれば国民全体を一人の人間に命令するように
不揃いなしに右にでも左にでも向かせることが出来るのです」 「完全に自由を奪うのだ....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
く練れた練飯でもって、杉箸の片を四方一束に貼りあわせ、且つ一本ずつ少しばかり端を
不揃いにして置いて、だんだん先へ長く継いでいった。結局一と月かかったけれどこんな....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
へ聞き合せにやったが、思うようなのがない。なにぶんにも物が物ですから、その大小が
不揃いであると甚だ恰好が悪い。あとできっと旦那さまに叱られる。台所の者もみな心配....
「修禅寺物語」より 著者:岡本綺堂
て答えず。) 五郎 なに、面はすでに出来しておるか。 頼家 ええ、おのれ。前後|
不揃いのことを申し立てて、予をあざむこうでな。 かつら いえ、いえ、嘘いつわりで....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の長靴らしく思われる方は、形状の大きさに比例すると歩幅が狭く、さらにいちじるしく
不揃いであるばかりでなく、後踵部には重心があったと見え、特に力の加わった跡が残っ....
「神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
っと覗き込んだ箱の中に、一個の仮面が浮き出している。飛び出した額、扁平の鼻、左右
不揃いの釣り上がった眼、衣裳の裾のように脹れ上がり前歯を露出した上下の唇、左半面....
「ニッケルの文鎮」より 著者:甲賀三郎
ったの。余程興奮してお書きになったと見えて、ブルブル震えて、字の大きさや行なども
不揃いだったわ。あたし読んでいるうちに蒼くなっちゃったわ。 『私はきっと清水に殺....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
放り出してしまったものだから、今はまるで場末のバアのように、どこからか集めてきた
不揃いの椅子を前のように壁を背にして並べ、卓子の代りに食糧品の入っていた木箱を集....
「伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
く、東雲かと見れば陰々たる中に、煙草盆、枕、火鉢、炬燵櫓の形など左右、二列びに、
不揃いに、沢庵の樽もあり、石臼もあり、俎板あり、灯のない行燈も三ツ四ツ、あたかも....
「白光」より 著者:井上紅梅
い。彼は用心深く撮み上げ、燈光の下でよく見ると、斑に剥げ爛れた下顎の骨で、上には
不揃いに欠け落ちた歯が一列に並んでいる。この下顎の骨は握っているうちにむくむくと....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
町へ通ずる狭い横丁の、一所から聞こえて来るのであった。その横丁は狭い上に家並みが
不揃いで凸凹があった。で、あまねく照らしている月の光もこの横丁へは、あまねく落ち....
「春」より 著者:岡本かの子
なる前兆が、まだまだいくらもあった筈だ。 病院の門内に敷き詰めた多摩川砂利が、
不揃いな粒と粒との間に、桜の花片をいっぱい噛んでいる。 ――何処かに、とても大き....
「瘤」より 著者:犬田卯
切代として決算せられたのである。柳原ものではあるまいかと思われるような上下色沢の
不揃いな金モール服が何と六百何円――貧乏村の校長氏の高等官七等の栄誉を飾るために....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
は五重の塔のためでござります、と藪から棒を突き出したように尻もったてて声の調子も
不揃いに、辛くも胸にあることを額やら腋の下の汗とともに絞り出せば、上人おもわず笑....
「三州仕立て小蕪汁」より 著者:北大路魯山人
っては、朝食が家人の都合でまちまちになっている。七時の者、八時の者というふうに、
不揃いで食事すると、それがひとつの味噌汁なら、最初に食べる者は一番塩梅のよいもの....