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不敏
「不敏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不敏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「老妓抄」より 著者:岡本かの子
諦《あきら》めることが出来る。しかし彼女は諦めということを知らない。その点彼女に
不敏なところがあるようだ。だがある場合には
不敏なものの方に強味がある。 たいへ....
「彼岸過迄」より 著者:夏目漱石
と思っていないあたしに対して……」 彼女はここへ来て急に口籠《くちごも》った。
不敏な僕はその後へ何が出て来るのか、まだ覚《さと》れなかった。「御前に対して」と....
「新ハムレット」より 著者:太宰治
れば、また、ごらんのとおり風采もあがらず、血をわけた実の兄弟とも思われぬくらいに
不敏の弟なのですから、果して此の重責に堪え得るかどうか、外国の侮りを受けずにすむ....
「比較言語学における統計的研究法の可能性について」より 著者:寺田寅彦
しでも臆断のにおいがあればそれは不文の結果である。推理の誤謬や不備があればそれは
不敏のいたすところである。このはなはだ僭越と考えらるべき門外漢の一私案が、もし専....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
併しこの三千年(?)の歴史はどういう風に研究されるべきかが先にも問題だったのだ。
不敏な吾々は今日に至ってもまだ紀平式ヘーゲル(?)歴史哲学の真諦を理解出来ないの....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
ていただいたことは幾度かわかりません、聞かせるには聞かせていただきましたけれど、
不敏な私には、どうしても今まで、掴《つか》むものが掴めない心持でおりました、それ....
「東山時代における一縉紳の生活」より 著者:原勝郎
』によっても徴し得らるることであるが、彼が何人からしてこれを習い伝えたかは、予の
不敏いまだこれを明かにしない。天稟にもとづいたことでもあろうが、必ずやしかるべき....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
るでしょう。 レオン一家の人々の生きかたも同時的に考えられた。心理的な面から。
不敏ならざる頭脳が、人生の或モメントに一つぐれて、感情的な我執に陥り、一見理性に....
「性格を求む」より 著者:豊島与志雄
の新陣営の作者たちの作品に、どれだけの性格が、性格の横顔が、描き出されているか、
不敏にして私は知らない。そして試みに只今手許にある雑誌を披いてみる。――藤沢桓夫....
「自然現象の予報」より 著者:寺田寅彦
的考察が却って必要なるべし。特に予報の問題のごとき場合においては然りと信ず。余が
不敏を顧みずここに二、三の問題を提起して批判を仰ぐ所因もまたこれに外ならず。ただ....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
の紙面には、ダンスホールの経営者が軽犯罪法で大目玉をくったという記事がでていた。
不敏の至りであるが、私はなぜ軽犯罪にひッかかるのだか合点がゆかなかったが、人に教....
「艶色落語講談鑑賞」より 著者:正岡容
針金渡りは猿猴《えんこう》栄次のイミテーションであると教えていただいた。 が、
不敏なる私は、その時、猿猴栄次について、何ら識っているところがなかった。恥ずかし....
「武士を夷ということの考」より 著者:喜田貞吉
佐伯宿禰と同じく、天押日命の後にして、天神の族なるべしと言わるるなり。しかも余輩
不敏、そのしかるを暁る能わず、ただちに同誌翌月号においてこれが答弁を掲載せしが、....
「斬られの仙太」より 著者:三好十郎
上 ……いま更、いま更、子供をだますようなことを言われなっ! 水戸が如何に時世に
不敏なりとは申せ、まった、拙者不学といえども、それくらいのことはとくに存じおる。....
「法然行伝」より 著者:中里介山
もんのじょうしげつね》を使として法然に、 「浄土の法門年頃お教えを承りましたが、
不敏にしてまだまだ心腑に収め難いものが多くございます。冀《こいねがわ》くはその要....