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不整
「不整〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
不整の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
いますと(その女学校はこの節はだいぶよく揃ったそうでありますが、このあいだまでは
不整頓の女学校でありました)、それが世界を感化するの勢力を持つにいたった原因は、....
「電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
リピリといやに強い感覚、頸動脈へドキンと大きい衝動が伝った。何となく心臓の動悸も
不整だな、と思いながらも、肌にひろがる午前の冷気に追われて、ザブンと一思いに身を....
「蠅」より 著者:海野十三
の看護婦がアタフタ駈けてきた。 「先生、すぐ第二十九号室へお願いします。脈が急に
不整えになりまして……」 「よオし。すぐ行く」といって再び細菌科長の方を振りかえ....
「破片」より 著者:寺田寅彦
機体である以上可能なことである。 いつか自分の手指の爪の発育が目立って悪くなり
不整になって、たとえば左の無名指の爪が矢筈形に延びたりするので、どうもおかしいと....
「東京要塞」より 著者:海野十三
車の歯の一つが欠けているのか、或はまたロープにくびたところでもあるのか、とにかく
不整な響を発するのであった。 「こいつは締めた。もっと早く気がつけばよかったんだ....
「めでたき風景」より 著者:小出楢重
洋人に限るかも知れないが、整頓しているものが必ずいい味を持っているとは限らない。
不整頓な街景が整頓した街よりも絵になることがある。私などは日本婦人の味を西洋人の....
「油絵新技法」より 著者:小出楢重
機、軍艦の安定は絵画の調子の安定より以上に必要だろうと思う。調子、色彩、リズムの
不整頓な絵画を見せて死傷者を出した展覧会というものはない。 しかしながら明治以....
「大切な雰囲気」より 著者:小出楢重
は未開地であるが故に起るところの惨事ばかりだといっていい。訓練不足の民衆と、乱雑
不整頓、無茶苦茶の都会交響楽であり、飛鳥山の花見の泥酔の中で競馬が始まった位の混....
「科学論」より 著者:戸坂潤
念論者フィヒテであった(その『知識学』)。――それから自然科学は、その叙述様式の
不整備のために、往々にしてその専門的研究から無意味な他愛のない人文的諸理論を導き....
「辞典」より 著者:戸坂潤
て来る必要があったのである。――この現象は、カントの先験的論理学に於ける根本的な
不整頓を意味するわけで、先験論理学が形式論理学の欠陥をこういう形で云い表わすとい....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
から倫敦見物の足を踏み出すことにしているに反し、仏蘭西人はふらんす人らしく芸術的
不整頓を愛する好みから、このおなじろんどんに独特の出発点をもっている。それがここ....
「自然現象の予報」より 著者:寺田寅彦
手近き原因は、予報の指定する範囲と被予報者の利害範囲の大きさの相違と、その公算的
不整合を許容する程度の差異に帰すべしと思わる。 最後に卑近なる例を挙げて所説を....
「体格検査」より 著者:小酒井不木
めましたので、私は、恐ろしい予感のためにはッと思って身をすくめました。 「ひどい
不整脈だ!」と、軍医はつぶやきました。「こりゃいかん。強度の心臓病だ」 こう言....
「バットクラス」より 著者:岡本かの子
もっと既にこの時世界の不況は大英の財界にも押し寄せて来て、彼の顧問会社の脈搏
不整はこの偉れた財政家に騎士時代の革財布を丹念に繕うような閑道楽を許さなくなって....
「座右第一品」より 著者:上村松園
深い思い出を持たされて居ります。いろんな紙を自分で綴じて作った帳面ですから、形も
不整いで大小があり厚薄がありますが、何十年かの間に積もり積って重ねましたら、二、....