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「不敵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不敵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
□□□□□□□□(虫食いのために読み難し)とて伝三を足蹴《あしげ》にかけければ、不敵の伝三腹を据《す》え兼ね、あり合う鍬《くわ》をとるより早く、いざさらば土百姓....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
さも嘲りたいのを堪《こら》えるように、漂って居《お》るのでございます。するとその不敵な振舞に腹を据え兼ねたのでございましょう。横川《よかわ》の僧都は急に印を解い....
三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
にこう問われると、昂然《こうぜん》と浅黒い顔を起した。その目にはまた前にあった、不敵な赫《かがや》きも宿っている。 「それは打ち果さずには置かれませぬ。三右衛門....
或る女」より 著者:有島武郎
「よしよしそれで何もいう事はなし。早月《さつき》さんはわしが引き受けた」 と不敵な微笑を浮かべながら、事務長は始めて葉子のほうを見返った。 葉子は二人《ふ....
或る女」より 著者:有島武郎
あるんか、わからないじゃないか。木村にでも未練があれば知らない事」 こういって不敵に笑いながら押し付けるように葉子を見た。葉子はぎくりと釘《くぎ》を打たれたよ....
星座」より 著者:有島武郎
無類で、礼儀知らずで、大酒呑で、間歇的《かんけつてき》な勉強家で、脱線の名人で、不敵な道楽者……ガンベはそういう男だったのだから、少なくとも人が彼をそう見ている....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
ぬ。 渠はもとより一点の害心だにあらざりしなり。われはそもそもいかにしてかかる不敵の振舞《ふるまい》をなせしかを疑いぬ。見れば、わが手は確かに出刃を握れり。そ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
う。」 と言うと斉しく、仰向けに寝て、毛布を胸へ。――鶏の声を聞きながら、大胆不敵な鼾で、すやすやと寝たのである。 暁かけて、院長が一度、河野の母親大夫人が....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
あるから、驚くのも無理ではなかった。 ひょっくり現れた伊号一〇一潜水艦は、大胆不敵にも、大混乱を始めている主力艦の後方に浮び上り、永らく中絶していた味方の艦隊....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
は、そこで課長の心臓をつくような質問の巨弾を放ったのだった。 「三年ほど前、大胆不敵な強盗殺人を連発して天下のお尋ね者となった兇賊痣蟹仙斎という男がありましたね....
三人の双生児」より 著者:海野十三
しい人物はないと思われる。黙って殺人をして引取っていったとすると、これは実に大胆不敵な兇漢であるといわなければならない。妾を吃驚させるなんて――殺人者として妾の....
海底大陸」より 著者:海野十三
うな緊張だった。 そのとき、潜望鏡は、だんだん海面にのび上がってきた。 大胆不敵なやつ! そう思っているうちに、いよいよ船体をあらわして、ルゾン号の舷側ま....
浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
は、飛行島の前方の海面下を警戒しつづけている。 この三段構の警戒網を突破し得る不敵の曲者は、よもやあり得ないものと信ぜられた。 建設団長のリット少将は、いま....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
そうに首を振りながら、腕をあげて、帰る人々に挨拶した。 ラザルスの家へは、大胆不敵の勇士が物凄い武器を持ったり、苦労を知らない青年たちが笑ったり歌を唄ったりし....
」より 著者:犬田卯
十日でも、彼女は夫を突きとばして寄せつけなかった。いまもまた、あの、夫の何かしら不敵そうな、城壁を築いたような態度から、彼女は肥料代のことに思いを及ぼし、まざま....