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「不文律〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不文律の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
鰊漁場」より 著者:島木健作
する賞与の方法になってしまったのである。しかしそれは契約書にも明記されず、いわば不文律で、その額のごときも漁場主の一存に任せられているのだった。一人当り二十円の....
みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
主は頼まれた人に、受取は幾何金と書きましょうか、ときく。コムミッションの天引は殆不文律になって居る。人を見て値を云う位は、世にも自然な事共である。東京から越して....
社会時評」より 著者:戸坂潤
を開いたことが、帝国大学官制に対する純然たる違法であり、而も沢柳事件で京都帝大の不文律として天下に認められた処の、総長の具状は教授会の協賛を必要とするという習慣....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
してくるかとばかりです。 そこへまもなく、峠路を上って来た竜之助の一行。道中の不文律に従って、ともかくもこの立場《たてば》へ一休みはするだろうと期待していると....
狸と俳人」より 著者:田中貢太郎
て、其の行為を殊勝がったが、其の心が村人達をして狸には決して危害を加えまいという不文律をこしらえさせた。爾来其の村では今に至るまで狸は獲らないことになっている。....
寄席と芝居と」より 著者:岡本綺堂
あるが、これは非常に範囲が広い。江戸時代には小説作者と狂言作者とのあいだに一種の不文律があって、非常に大当たりを取った小説は格別、普通は小説を劇化しない事になっ....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
おくれ」 一力は物に臆さぬ剛気の丈夫であるが、男の顔が立つか立たないか、という不文律のサバキとちがって、法律のサバキは手に負えない。出るところへ出るサバキなん....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
ンマ一軒。これがアンマの縄張りだ。八丁四方に一軒以外は新規開業が許されないという不文律があったのである。 だから、アンマの師匠の羽ぶりは大したものだ。多くの弟....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
ではない。子供たちのことは子供仲間で解決つけて、大人の所へは持って行かないという不文律が支配しているのだ。そしてそんな事をするものがあれば卑怯とする気を皆持って....
火の扉」より 著者:岸田国士
浮べるような表情でそれを言い、 「野ばんということが、そんなに恥じではないという不文律が日本の男のなかにはあつたからね」 と、あとは苦笑でまぎらしてしまつた。....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
れていて、どうかすると、それを適度にあしらわなければ世間に通用しないという、妙な不文律ができていることです。その証拠に、もし誰かが、あるひとの言葉遣いのなかに、....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
て岩窟へ帰ったのである。 三十七 猛悪の人猿の社会にも幾個かの不文律が行われていた。自分の所有でない雌性に対しては決して乱暴をしない事。人猿以....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
な子供に与える。これを選定相続というのかね。しかし、長兄に与えるのが自然だという不文律が感情的に存在していたのかも知れない。応神天皇は二人の子供をよんで、お前ら....
」より 著者:犬田卯
心配もなく食うだけのものは貯えておきたい、おかなければならぬ。それが農家としての不文律であり、常規でなければならなかった。でなければ曲りなりにも一家を張っている....
賤民概説」より 著者:喜田貞吉
浮浪民たる非人法師の仲間には、それぞれ長たるものが出来てこれを統轄し、自然と不文律による自治制が行われていた。その長たる非人を長吏法師と云い、その下に属する....