不沙汰[語句情報] » 不沙汰

「不沙汰〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

不沙汰の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
高野聖」より 著者:泉鏡花
馬は珍しゅうもないが、白痴殿《ばかどの》の背後《うしろ》に畏《かしこま》って手持不沙汰《てもちぶさた》じゃから今引いて行こうとする時縁側へひらりと出て、 (その....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
《ばばあ》が背後向《うしろむき》に坐ったのが、その総領《そうりょう》の娘である。不沙汰《ぶさた》見舞に来ていたろう。この婆《ばばあ》は、よそへ嫁附《かたづ》いて....
朱日記」より 著者:泉鏡花
踏張り、両腕をずいと扱いて、 「御免を被れ、行儀も作法も云っちゃおられん、遠慮は不沙汰だ。源助、当れ。」 「はい、同役とも相談をいたしまして、昨日にも塞ごうと思....
錦染滝白糸」より 著者:泉鏡花
七左 いずれ、そりゃ、はッはッはッ、御馳走には預るのじゃ、はッはッはッ。遠慮は不沙汰、いや、しからば、よいとまかせのやっとこな。(と云って立つ。村越に続いて一....
売色鴨南蛮」より 著者:泉鏡花
吉は、あっと思った。 再び、おや、と思った。 と言うのは、このごろ忙しさに、不沙汰はしているが、知己も知己、しかもその婚礼の席に列った、従弟の細君にそっくり....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
昼の内は宰八なり、誰か、時々お伺いはいたしますが、この頃は気怯れがして、それさえ不沙汰がちじゃに因って、私によくお見舞い申してくれ、と云う、くれぐれもその託でご....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
かりついて、掻竦むように脊筋を捻る。 「ははははは、これはどうも。」と按摩は手持不沙汰な風。 女房|更めて顔を覗いて、 「何んと、まあ、可愛らしい。」 「同じ....
灯明之巻」より 著者:泉鏡花
最近も、私を、作者を訪ねて見えた、学校を出たばかりの若い人が、一月ばかり、つい御不沙汰、と手軽い処が、南洋の島々を渡って来た。……ピイ、チョコ、キイ、キコと鳴く....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
た! 行った! 痛快! などと喝采だから、内々得意でいたっけが――一日、久しく御不沙汰で、台町へ機嫌伺いに出た処が、三和土に、見馴れた二足の下駄が揃えてある。先....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
ものでございますから、私も当にはしないで心頼りと思うております。それへ久しぶりで不沙汰見舞に参りますと、狭い処へ一晩泊めてくれまして、翌日おひる過ぎ帰りがけに、....
伊勢之巻」より 著者:泉鏡花
を※すと、誰も居ないで寂として、釜の湯がチンチン、途切れてはチンという。 手持不沙汰に、後退にヒョイと立って、ぼんやりとして襖がくれ、 「御免なさいまし。」と....
良夜」より 著者:饗庭篁村
かれるからだ。この人は投身を企つる者ではござらぬ」巡査の証言にかの人も車夫も手持不沙汰なれば予は厚くその注意を謝し、今は我輩も帰るべしと巡査にも一揖して月と水と....
白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
法はない。 ――話はちょっとそれました。が、さあ、前後しました。後一年、不断、不沙汰ばかり、といううちにも、――大野木宗匠は、……常袴の紺足袋で、炎天にも日和....
夫人利生記」より 著者:泉鏡花
や慌しかったのは、余り身軽に和尚どのが、すぐに先へ立って出られたので、十八九年|不沙汰した、塔婆の中の草径を、志す石碑に迷ったからであった。 紫|袱紗の輪鉦を....
三枚続」より 著者:泉鏡花
ですぜ。それと分ってからはお顔を見るにも御不便で、上りかねましたから、こんなに御不沙汰にもなりましたが、もう一度問直そうと、山の井先生がその時は、自分で鴨川の許....